今日のテーマは、『FTXトレーディングの経営破綻は、仮想通貨:連鎖ドミノの序章か』です。
今月初め、
暗号資産(仮想通貨)交換業として、最大手に君臨する、
FTXトレーディングとその関連企業が経営破綻しました。
インパクトの大きさに加えて、
本国・米国では、広告塔のアスリートが訴えられるなど、
連日、マス・メディアでも盛んに取り上げられています。
現時点、破綻の至った全容は完全に解明されていません。
ただ、
本業(暗号資産・交換業)が不振に陥っていた訳でなく、
ガバナンス(企業統治体制)が杜撰だったと言われます。
先日も、公式ブログの中で、少しだけ触れていましたが、
関連企業への不適切な送金操作と、粉飾決算がそれです。
これまで、
該当企業には、個人投資家だけでなく、VC等を通じて、
数多くのファンドが出資していたことが分かっています。
*VC(ベンチャー・キャピタル):未上場のスタートアップ企業等に出資して株式取得し、将来、株式公開した際に大きな売却益を狙う投資会社・ファンドのこと。
その総額は、『20億米ドル』にも達する程なのだとか。
日本円換算で『3000億円』に迫る、大きな金額です。
その中には、
カナダ・オンタリオ州教員向け年金基金も含まれており、
同基金はFTX関連評価額をゼロにすると公表しています。
これまでの累計出資額は『約9500万ドル』ですから、
日本円で『130億円』の原資を捨てたことになります。
その他のVCでも、
FTX関連の資産を『ゼロ評価』する動きは加速しており、
一般人に対しても間接的に『実害』が発生し始めました。
通常、
ベンチャーキャピタルは出資額が大きな投資先に対して、
取締役・監査役を派遣し、ガバナンス改善に尽力します。
顧客から預かった資金も含めて、自らが出資した企業が、
適切に経営されているかを確認する責任があるためです。
しかし、
今回、話題に挙がる『FTXトレーディング』関連企業で、
社外取締役・監査役が派遣された実績は、現時点でゼロ。
情報が閉ざされた『ブラック・ボックス』という環境も、
同社の杜撰な経営・統治体制が加速した要因と考えます。
また、
2020年、新型コロナウイルス危機が急速に顕在化し、
世界各国が、共通して『異次元金融緩和』を進めたこと。
その結果、
世界中、あらゆる対象・市場に『投資マネー』が殺到し、
突如として『熱狂』が始まったことも一因になりました。
急激な上昇局面では、誰しも『乗り遅れまい』と考えて、
心理的に焦ることから投資対象の精査が疎かになります。
この辺り、私自身も、決して『他人事』とは思えません。
自らの『投資姿勢』を振り返る、良い契機になりました。
米・JPモルガンの調査によると、
暗号資産(仮想通貨)関連スタートアップ企業の出資は、
2021年、過去最高値を記録し『300億米ドル超』。
今年(2022年)は、
昨年の水準には届かないものの、11月時点の暫定値で、
250億米ドル(約3.5兆円)を超える実績を記録する。
つまり、
それらを考慮すると『FTXトレーディング経営破綻』は、
暗号資産(仮想通貨)市場の氷山の一角だと分かります。
まだまだ、市場には爆弾(リスク)がばら撒かれている。
これから、『連鎖ドミノ』が倒れ始めるかも知れません。
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