今日のテーマは、『経済発展に沸く【中国】に拡がる【経済格差】は、世界の縮図か??』です。
中華人民共和国。
20年前は、『眠れる獅子』と形容されていましたが、
今や、紛れもなく『21世紀の超大国』になりました。
約10年前、
長く『世界第2位』に君臨した、日本国のGDP(国内総生産)を抜き去り、
2020年現在、2倍どころか『トリプル・スコア』を付けつつあります。
更には、
1944年に『基軸通貨特権』を取得した、世界覇権国・米国をも、
近い将来、キャッチ・アップする成長率で経済拡大が続いています。
そう言えば、
2020年、突如、出現した『新型ウイルス』も、
元を辿れば、この国が発生源とされていましたね。
しかし、
本来であれば、最も、影響を受けるはずの『震源地・中国』は、
コロナ禍の世界経済で、少数派となる『勝ち組』に位置します。
最近では、
『変異型』の出現もニュースで取り沙汰されており、
今尚、世界的な『収束』の兆しは、見えていません。
その状況で、
『コロナ禍とは、何だったのか??』を考えるのは時期尚早ですが、
何とも理解し難く、不思議な雰囲気が、世界全体を覆っていますね。
話を戻すと、
『眠りを覚ました獅子』と言える中国は、
混沌とする2020年も経済成長を続け、
確実に、21世紀の世界経済を牽引する立場にあります。
勿論、
『ひとりっ子政策』等の影響もあり、長期的には衰退期も訪れますが、
直近30年間程は、『第2の覇権国』として君臨することになります。
それは、
突出した『超大国』による、世界経済独裁の抑止力として、
個人的には、拮抗勢力の台頭は望ましいと考えていますが。
しかし、
『中国』国内に目を向けると、華々しい経済成長の負の側面として、
歴史上かつて無いほど、『経済格差』は拡大しつつあると言います。
例えば、
他の新興国社会にも見られている通り(*当然、日本も同様)、
親の『保有資産』と、子供が受けられる『教育』との間には、
密接な相関関係が成立し、『経済格差』をより強固なものに。
日本の『センター試験』に該当し、
中国全土において、毎年一斉に開催される大学入試『高考』は、
低所得者層には、チャンスすら剥奪される傾向にあるのだとか。
実際、
名門『清華大学』昨年(2019年)入学した学生を調査した所、
比較的、発展が遅れる地域の出身者は、全体の『2割』にも未達。
日本でも、
『学歴社会』は、崩壊したと言われて久しいですが、それがそのまま、
『学校教育=無価値』論に直結する訳ではないと、個人的に考えます。
むしろ、
『教育』がなければ、他社に提供できる『価値』も減少する為、
必然的に、『経済的恩恵』を得られるチャンスは減少しますね。
また、
中国『約14億人』と言われる人口全体で考えた時、
『上記1%』の保有資産のトータル(総額)が、
『下位50%』のそれを超える点は、特に、象徴的。
このデータは、『世界全体』のミニチュア版です。
更に、
深圳(シンセン)はじめ経済発展に沸く都市部の集合住宅価格は、
一般的な会社員の『平均年収:約44倍』を記録するまでに高騰。
私自身、お勧めしませんが、
日本国内で『マイホーム』を購入する方々の大半が、
『35年ローン』を選択することを考慮しても、
中国国内の『ハードル』の高さが伺い知れますよね。
少しだけ計算すれば、
日本国内の会社員平均年収は、『400万円』ほどなので、
年収の44倍は『1億8000万円』に迫る巨額資金です。
殆どの人にとって『不可能』と言えますね。
昨日の公式ブログでは、
『原理・原則から乖離する【金融市場】は、この先どこに向かうのか??』と題して、
世界市場全体として、今世紀も拡大し続けるであろう『経済格差』をご紹介しました。
『現代版:資本主義経済』の成り立ち上、その『未来』は避けられません。
そして、
その波は、将来的に、当然『日本国』にも到来はするのですが、
その流れは、一足先に『新たな覇権国・中国』に訪れています。
冒頭、
2020年、一人勝ちで『経済成長』し続けるとご紹介しましたが、
古今東西、世の常で、『光』が強いほどに『影』は色濃くなります。
インドでは、
『カースト制度』なる身分制度が、今尚、色濃く残りますが、
『経済格差』による身分制度も、今後の世界では明確になる。
世界全体として『持つ者』と『持たざる者』に分けられる時代がやって来ます。
今、まさに『変遷期』が訪れますが、未来の『主導権』『選択権』は、
皆さんそれぞれが、日々選択する『行動』により決定すると考えます。
あなたは、迫りくる未来に対応する形で『資産形成』を進めていますか??
『リスク』が顕在化した時に気付いても、恐らく、挽回不可能と考えます。
井上耕太事務所
代表 井上耕太