今日のテーマは、『中国恒大の経営危機問題に見る、投資対象としての中国の評価』です。
7月17日、
2022年1月に経営危機が顕在化してから1年半ぶり、
中国恒大の21年、22年期連結決算が発表されました。
それによると、
2021年12月期は『4760億元』の赤字に転落し、
翌22年12月期も『1059億元』の最終赤字で着地。
2年間で、
総額『5800億元超』の負債を積み上げたことになり、
円換算すると『11兆円超』もの壮大な数字になります。
日本企業で、同等の赤字に耐えられる企業はありません。
2022年度、
中国恒大グループ全体の売上高は『2300億元』程で、
2020年のそれと比較して、半減以下に落ち込みます。
また、
不動産物件の契約販売額は20分の1まで下落しており、
昨年3月21日から香港取引所における株式売買も停止。
元々、
中国では政府主導での救済はしない旨が公表されており、
債権者に対する支払いも含めて、経営再建は茨の道です。
同社は何故、ここまで莫大な負債を計上するに至ったか。
それは、
一企業、個別要因としての経営問題もあったでしょうが、
中国が、国家全体として抱える問題にも繋がっています。
つまり、
身の丈以上の不動産開発を長年継続して、見掛けだけの、
言わばハリボテの経済成長を追い求め続けたということ。
もちろん、
そこには、真の意味での『効用』は存在していないため、
本質的な経済成長と無縁の無機質な数字が存在していた。
客観的に見て、
13億人を超える人口や、広大な国土と豊富な天然資源、
唯一、米国と対等に渡り合えるだけの産業があること等、
国家としての中国は、魅力的なポイントが多数あります。
更には、
世界的投資家のジム・ロジャーズ氏は、国民性を評価し、
『発展しないはずがない』とまでの賛辞を送っています。
*中国人の国民性として、仕事(商売)に対する情熱と、
収入の約半分を貯蓄する経済的勤勉性を評価している。
しかし、
前述の通り、魅力的なポイント満載の『中国』において、
『問題』が何もないかと言われればそうではありません。
実際、
先ほどはメリットとして挙げた国家の『巨大さ』こそが、
中国という国の実体を分かり難くしているのは事実です。
現時点、
私自身、資産ポートフォリオに含める割合は極めて低く、
『人民元』建の資産に限っては、全く保有していません。
(超)長期的視点で見た際『ポテンシャル』は認めます。
しかし、
号資産(仮想通貨)同様、保有するには時期尚早であり、
混沌とした状況の中、『評価不能』という位置付けです。
中国恒大集団の再建プロセスは一企業の範疇に留まらず、
『中国』という国家の結末を示しているように感じます。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太