今日のテーマは、『2国間決済で初のドル超えは、人民元の時代到来を意味するか??』です。
先日、
『中国』を取引相手とするケースの2国間決済において、
人民元の利用シェアが、米ドルを超えたことが判明した。
2023年、第2四半期(4月ー6月)の最新データで、
全体に占める、人民元の決済シェアは半分の『49%』。
これは、
『中国』を取引相手とする時、企業や機関投資家の中で、
決済通貨の選択自由度が、高まっていることを意味する。
また、
経済制裁を科し、対立を強める西側・欧米諸国と異なり、
ロシアとの取引が拡大していることも一因に挙げられる。
何れにせよ、
1944年以降、他の通貨も成し得なかったことであり、
エポックメイキング(*)な出来事に変わりありません。
*出現(発現)以前・以後において、大きな違いが生じ、
社会的にも有意義な変化がもたらされる出来事のこと。
それでは、
今回の動き(2国間決済における米ドル超え)を以って、
『人民元の時代が到来した!』と明言できるでしょうか。
確かに、
『13億人』を超える人口はインドに次ぐ世界第2位で、
基軸通貨特権を保有する米国と比較して『約4倍』です。
さらに、
広大な国土、潤沢な資源、それらを活かした産業を持ち、
近い将来、GDPで世界No. 1になることも確実視される。
21世紀の主役になる為のポテンシャルは、十分ですね。
ただし、
子や孫の時代は可能性があるとしても、私たちの時代に、
果たして主役になるかは、冷静に見極める必要性がある。
事実、
前述の『中国』を起点とした2国間決済では首位ながら、
世界全体で考えた時、人民元の決済シェアは『約3%』。
覇権国・米国とは、『10倍以上』の格差が存在します。
確かに、
資産形成でもビジネスでも、時代を一歩先行く先見性は、
私たちを成功へと導いて、経済的に豊かにしてくれます。
しかし、
十歩も二十歩も先を急げば、時代がキャッチアップせず、
何も起こらないどころか、失敗に終わる可能性が高まる。
私見では、
人民元、ひいては『中国』という国家の世界的な評価は、
2023年現在、明確に定まりきってないと見ています。
当然ですが、『通貨』という以上、自らが取引をする際、
『決済手段』として機能しなければ、意味がありません。
私自身、未だ、必要性を感じ切れていないのが事実です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太