今日のテーマは、『米国に潜むクレジットリスクは、密かにサブプライム期に迫りつつある』です。
今から約3ヶ月前の8月半ばにも、本日と同様のテーマ、
米国に潜む『クレジットリスク』について触れています。
直近、
コロナの抑制状態から個人消費はリバウンド傾向ですが、
それに伴い全年齢層でローン滞納者も急増している、と。
11月中盤に差し掛かり、状況は悪化の一途を辿ります。
先日(11月7日)、
NY連銀より公表された7ー9月期カード支払い滞納者は、
利用者全体の『8.01%』を数えるまで増加しています。
実に、
12人に1人の割合で30日以上の滞納が発生しており、
2011年以来、12年ぶりとなる非常に高い水準です。
2011年と言えば、
米国発のサブプライム・ショックが、時間差で海を渡り、
新たな火種、欧州危機として燃え広がっていた時代です。
このように表現するとリスクの大きさが理解出来ますね。
更に、
より深刻度の高い90日以上の滞納者も『5.78%』と、
債務滞納者全体の大半を占めているというのが実情です。
その背景には、
前述した通り、コロナ禍明けのリバウンド消費に加えて、
カードローン金利の上昇も一因となっているとの指摘も。
現時点、
米国内のそれ(ローン金利)は年率21%を超えており、
この水準でお金を借りることは経済的な死を意味します。
話を続けると、
直近、米国全体のカード債務残高は1兆790億ドルと、
日本円に換算して『約160兆円』にも上る巨大な数字。
更に、
自動車、住宅まで含めた家計全体の債務残高に至っては、
『17兆2910億ドル』という正に天文学的な値です。
*現行の為替レートで『2600兆円超』に相当します。
もちろん、どちらも『過去最大』を更新し続けています。
にも関わらず、
サブプライム直後の値(滞納率10%)を下回る事から、
クリスマス商戦を控えた米国では楽観論すら存在します。
確かに、
GDPの約7割を『個人消費』が占める米国経済において、
ネガティブな現実を突きつける事もリスクに発展します。
しかし、
現時点で『約2%』存在している危険水準との乖離差も、
近い将来、確実にキャッチ・アップしてしまうと見ます。
何故なら、
米国における、カードローンの滞納と債務の焦げ付きは、
2024年半ばから後半ピークを迎える予測だからです。
2024年以降、
FRBが政策金利を『利下げ』に転換することを起点とし、
次なる『上昇相場』が到来することは間違いありません。
それでも、
それと別の独立事象としてクレジットリスクが顕在化し、
ちょっとした『ショック』を起こす可能性は十分にある。
様々な要素が絡合いながら、世界経済は均衡を保ちます。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太