今日のテーマは、『子持ちさま批判が肯定化される日本で、少子化対策は推進されるのか』です。
昨日の公式ブログの冒頭では、情報発信をスタートして、
ちょうど10年間の節目を迎えたことをご報告しました。
ただ、
個人的にはこれも通過点の一つに過ぎないと感じるため、
感傷に浸ることなく、11年目を継続したいと思います。
これまで、
繰り返し日本の社会保障制度について述べてきましたが、
その際、必ず『少子化問題』についても触れてきました。
日本に限らず、
国家全体としての社会保障制度を考えるとき、年代別の、
人口ピラミッドを綺麗に保つことは成立の前提条件です。
現状の日本のように、
急激なペースで少子化が進展することでその形が歪むと、
善悪の問題ではなく、簡単にシステムは崩壊してしまう。
もちろん、
彼ら・彼女らは社会保障維持のために生まれる訳でなく、
私達に生きる希望とエネルギーを与えることも事実です。
それでも、
国家存続のためには彼らの存在が不可欠なことも現実で、
日本の現状を直視すると非常に厳しいものがありますね。
例えば、
女性が一生涯に出産する子供の人数を示す特殊出生率は、
2023年時点で『1.20前後』と壊滅的な状況です。
また、
コロナ禍の2020年以降、失われたであろう成婚数は、
日本全体で『約20万組』にのぼるとも試算されており、
今後の出生率低下に、拍車が掛かることは確実視される。
さらに、
最近では『子持ちさま』なる言葉も社会に生まれており、
ネット社会を中心に、賛同する意見も散見されています。
子持ちさま、
育児を理由に仕事を切り上げたり育休を取る同僚を示し、
多くの場合は、否定的な意見とともに用いられています。
前述の通り、
婚姻率自体も下がり、子育て経験者が少数派となる現代、
子持ちさま否定派のシェアはじわじわと拡大しています。
予め断ると、この事の善悪を論じるつもりはありません。
この例に限らず、人の意見は置かれた立場で異なるもの。
子持ちさまも、子を持たないさまも、それぞれの立場で、
自らの正義を前提として主義主張があるのだと考えます。
話を戻すと、
両者(子持ち様・持たない様)の分断を招いているのは、
恐らく令和でも改革されない日本型雇用形態にあります。
それは、
個々人に対して、明確に『職務』を定めることをせずに、
チームとして善意の助け合いを前提に成立が可能となる。
それ故、
制度上(優遇条件に合致しない)弱者となった人たちは、
他の人たちが軽減された負担が集中する形になるのです。
もし仮に、
これが、欧米先進国で主流のジョブ型雇用に切り替わり、
残業同様インセンティブがプラスされたらどうでしょう。
もちろん、
それでも、批判を100%排除することは不可能ですが、
少なくとも今より否定的な反応も軽減されると考えます。
しかし、
実際は、昭和時代から働き方に対する基本形が変わらず、
現場での思考回路のアップデートだけが求められている。
これでは、
管理職の方々を中心に、益々負担が増大することになり、
両者を分断する溝は、さらに広く、深く切り裂かれます。
日本において、本当の『少子化対策』は推進されるのか。
社会構造自体が変わらなければ、厳しいと考えています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太