今日のテーマは、『欧州の大国・ドイツの失速は、世界経済が上昇する足枷となり得る』です。
昨日の公式ブログでは、
『株式市場に燻り続けている1つの不安要素』と題して、
2年半前に顕在化した中国不動産リスクを紹介しました。
その中で触れた通り、根本的な課題は何も解決しません。
中国国内では、
基幹産業の不動産バブルはかなり以前から始まっており、
需要を完全にオーバーした供給が問題視されてきました。
かつて、
1979年から始まった一人っ子政策の影響も相まって、
住宅一次取得層の30代人口は15年間で約3割も減少。
遂には、
昨年末時点、不動産在庫は『1.5億人分』に達しており、
直近の販売実績で考えて60ヶ月超の在庫に相当します。
もちろん、
主力産業である不動産開発が完全ゼロになるはずもなく、
中国国内の不動産バブルは、そう簡単には解消しません。
この辺り、
デリバティブが拡散したサブプライムとは異なりますが、
15年ぶりに未曾有の経済危機が訪れない事を願います。
そして、
世界経済が上昇するため、懸念点をもう1つ挙げるなら、
GDP全体として約2割を占めているユーロ圏の低迷です。
2023年、
ユーロ圏全体の経済成長が横ばい(ゼロ)であることは、
ファーイーストの日本では意外なほど知られていません。
特に、
欧州の大国・ドイツ経済の低迷は著しく、GDPとしては、
昨年10ー12月で前期比0.3%のマイナス成長を記録。
さらに、
今年は通年でも0.5%のマイナス成長と見込まれており、
欧州3割を占めるドイツ経済の低迷は全体に波及します。
ご存知の通り、
米国同様、欧州も近年は高インフレが襲っていましたが、
両者を明確に別つのは前者で個人消費が好調だったこと。
欧州全体として、
2023年末のクリスマス商戦も不発に終わったようで、
具体的な景気浮揚策は、見えてきていないのが実情です。
もちろん、
ウクライナーロシア紛争の地政学的リスクもありますが、
経済が停滞する理由は、それだけでは説明がつきません。
2005年から、
16年の長期に続いたアンゲラ・メルケル政権が終焉し、
手腕が問われるショルツ首相が苦戦を強いられています。
何れにせよ、
欧州の大国である、ドイツの力強い経済成長なくしては、
世界の株式市場が、真の上昇を迎える局面も訪れません。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太