今日のテーマは、『日米の金利差縮小観測にも関わらず、一向に円高回帰しないことの不思議』です。
週明け18日から、
日米両国の金融政策決定会合が連続して開催されており、
短ー中期的な金融政策の見通し・方向性が判明しました。
今回、
お互いに、特筆するほどの大きな動きはなかったものの、
日米両国が取る2024年内のスタンスは『真逆』です。
日本では、
来月にマイナス金利が解除されることが正式決定されて、
その他、社会全体の金利が上昇することも基本的に容認。
植田日銀総裁の会見後、メガバンク各社が競うかたちで、
預金金利の引上げを公表したことも象徴的な出来事です。
対して、
米国は政策金利が維持され、具体的な動きはないものの、
量的引き締めについては、近く減速される可能性を示唆。
さらに、
年内で、当初の予定通り利下げを『3回』見込んでおり、
決定通り実行されれば日米の金利差は確実に縮小します。
にも関わらず、
為替市場で予想されるはずのレスポンスは何も起こらず、
むしろ、短期的な観点では円安方向に触れてすらいます。
この現象(事実)は、どのように説明するのでしょうか。
基本から整理すると、
他の資産と同様、通貨も需給バランスの影響を受ける為、
求める人たちが多いほど相対的にその価値は上昇します。
古くから、
株式投資は『美人コンテスト』に例えられてきましたが、
求められれば株価は上がり、求められなければ下落する。
もちろん、
企業が持つ独自性・収益性など本質的価値もありますが、
株価自体は絶対尺度ではなく、人気投票で決定されます。
他にも、
モノに対して付く『プレミア価格』など典型的な事例で、
需要が高いほどプレミアムは際限なく上昇していきます。
話を戻すと、
直近、米ドル・円の為替が円安水準に維持されることは、
2通貨間で前者を求める人が多数派を占めるということ。
そして、
長期的視点で、米ドルよりも日本円が敬遠される理由は、
後者がローカル通貨と見做されていることが挙げられる。
実際に、
人口はピークアウトして急速な勢いで減少に転じており、
必然、今後数十年間の経済規模も比例して縮小していく。
そうなれば、『日本円』という通貨の利用頻度も減少し、
世界全体で見た時、そのプレゼンスも確実に減少します。
しかし、
短期トレードが主流を占めている為替の世界においては、
これだけでは、直近の動向を説明することが出来ません。
と言うことは、
短期的な視点で、私たち一般人レベルが見落としている、
且つ大きな影響を与え得るリスクが潜むということです。
果たして、
それが何なのか、私自身も正確には予測が出来ませんが、
やはり、7月に迫る紙幣刷新は警戒すべきイベントです。
実際、
キャッシュレス全盛の時代、2兆円近いコストを投じて、
それを推し進めるメリットは、未だ理解できずにいます。
前述した通り、
長期的視点で『日本円』が効力を失っていくのとは別に、
既存の円紙幣が嫌気されているのは考え過ぎでしょうか。
何れにせよ、答え合わせは近い将来にできると考えます。
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2023年1月よりセミリタイア生活に入っているため、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太