今日のテーマは、『世の中が、安易にFIRE:経済的自由を語ることに対する違和感』です。
近年、
主として『意識高い系』と表現されている方々を中心に、
経済的自由を表す、『FIRE』なる言葉が流行しています。
『Financial Independence, Retire Early』の頭文字。
この言葉の出現により、
『経済的自由』という概念が今まで以上に市民権を得て、
より身近なものになったことは、喜ばしい事と考えます。
脳機能的に、
人間は、自らが『知っているもの』しか認識出来ません。
世間的に、
達成者が余裕で『1%未満(*)』である事象に対して、
単純に『認知度』が高まったことは、メリットですよね。
*現実世界で、本当に『経済的自由』を達成する人間は、
確率的に『0.01%:1万人に1人』程度と考えます。
しかし、
認知度が高まりにより、実現ハードルが下がる訳でなく、
安易に達成できると考える人間が増えるならば問題です。
先日、
目にした報道タイトルは、年収400万円未満の女性が、
資産運用開始から、1年未満でFIRE実現したというもの。
いかにもキャッチーで、世間ウケも良さそうですね(笑)
中身を読み込むと、
事前に想像していたよりは『ぶっ飛んだ内容』ではなく、
大まかな流れとして、次のようなストーリー展開でした。
・現時点『年収400万円未満』に甘んじるこの女性も、
以前の職場は『今の年収の2倍以上』を達成していた。
・元々、華美過大とは無縁の『堅実な生活』をしており、
一般的な水準よりも『生活コスト』が抑制できていた。
・その生活を20年超継続した結果、彼女の保有資産は、
大半が現預金ながら『数千万円』規模で存在していた。
・その資金(保有資産)を元手に米国株投資を実行して、
運用開始から1年未満で、無事『FIRE』実現に至った。
このような内容です。
上記では、
彼女の保有資産を『数千万円規模』と表現していますが、
恐らく、7000万円〜8000万円程度と推測します。
何故なら、
『1億円』を超えているなら、このような表現にならず、
『5000万円未満』なら、お話にもならないからです。
なんでも、
安易に『FIRE』を語る方々の世界では、共通認識として、
資産運用の『4%ルール』なるものが存在するのだとか。
簡単に説明すると、
株式投資における『4%運用』は、最低見積もりであり、
その水準の利回りであれば、容易に実現できるのだとか。
このルールに従えば、
原資『7500万円』は『年間300万円』を生み出し、
月額換算で、単純計算『25万円』の配当収入を得ます。
確かに、
この算数が現実世界で成立するなら、保有資産があれば、
運用開始から『1年未満』でFIREを実現出来そうですね。
しかし、現実世界は、そこまで甘いものではありません。
私自身、
株式投資をした際、10年を超える長期スパンで考えて、
加重平均で『年率4%運用』できることに異論無しです。
ただし、
それは、出資後、直ぐに配当を得られることとは異なり、
米国株であっても、『4%安定配当』など有り得ません。
そもそも、
元本を確保して、安定配当を得る手段は『債券運用』で、
出資後直ぐ配当が出る仕組みでは『年率2.5%』が限界。
普段から、
投資期間としてミニマム『10年間』を呼び掛けており、
私自身、一貫した信念のもと資産運用を実行しています。
有り難いことに、
『40歳』を目前にして、経済的自由を実現しましたが、
それには、20代から『16年間』の時間を要しました。
冷静に考えれば分かりますが、
達成率『0.01%:1万人に1人』程に限られる事象を、
努力なく、簡単に、短期間で実現できるはずありません。
皆さんが『ネバーランド』に嵌られないことを願います。
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