今日のテーマは、『資産形成を成功に導くため、日本人が取り戻さなければならない常識』です。
昨年、
約10年間続いたゼロ金利時代がようやく終わりを告げ、
日本に『金利ある世界』の回帰の兆しが見え始めました。
昨日(1月27日)、
りそな銀行が引き上げを発表したことで、大手5銀行の、
普通預金金利は『年率0.20%』と足並みが揃いました。
これまで、
年率0.01%に留められていたそれ(普通預金金利)は、
僅か1年ほどの期間で20倍に爆上げ(?)されました。
原則、
メガバンク各行は、年2回に分けて金利を支払いますが、
数百〜数千円を受け取って、驚かれた方々もいますよね。
それほど、
2010年代前半から長きに続いたゼロ金利時代により、
金利が『馴染みないもの』になっていたということです。
28日現在、
長期金利(10年国債利回り)は1.20%前後で推移し、
0.10%未満が常態化していた時代からは驚異的に回復。
さらに、
メガバンク5行は、変動型住宅ローン金利の基準となる、
短期プライムレートを3月から引き上げると揃って発表。
これにより、
りそな2.125%、他4行1.875%は順次適用され、
7月から債務者が負担する金額に反映される見込みです。
そもそも、
『金利』は金融・資本主義のベースとなるものの1つで、
それが、これまで無かった(ゼロ)ことの方が異常です。
例えば、
あなたが債権者(貸し手)として100万円を貸した時、
時間をかけて100万円返済されても納得しないことは、
難しい理論展開をしなくとも、感覚的に分かりますよね。
目の前にあり、
今直ぐ、制約を受けずに自由に使える『100万円』と、
10年間の拘束を受けるそれの価値は明らかに違います。
それ故、
その代償分(実質的な価値の減少分)を上乗せする形で、
返済するのが『金利』というものが持っている意味です。
また、
資本主義は緩やかなインフレが前提条件としてあるため、
数字の実効力の減少分を補填するものとも考えられます。
もしも、
あなたが、自らの『資産形成』を成功に導きたいならば、
先ずは、この金融の『常識』を取り戻す必要があります。
残念ながら、
今、多くの日本人が歓喜してしまっている金利の水準は、
インフレとそれに伴う物価上昇を凌駕するものではない。
確かに、
数字上、以前より増える環境になったことは事実ですが、
実際の効力は、依然としてマイナスで負け越しています。
金利について、
自らの資産形成に『適切な基準値』を設定できなければ、
求めるゴールは達成し得ないと考えた方が良さそうです。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太