今日のテーマは、『大々的に宣伝広告する企業ほど、消費者フレンドリーではないという現実』です。
一般的に、
大多数の日本人が信用を測るとき、企業であれ人であれ、
認知度を指標にしてしまうケースが多いと感じています。
分かり易く言えば、
宣伝広告が多い企業や、メディア露出の多いタレントは、
意識することなく、無条件に『信用』してしまっている。
もちろん、
私たちは単純接触効果なる性質を持ち合わせていますが、
認知度一択で信用を測るそれは、世界標準から外れます。
少し考えれば当然で、
業界・分野に関わらず、宣伝広告に費やされるコストは、
企業が提供する商品・サービスに転嫁されることになる。
特に、
マスメディアを利用する際のそのコストは莫大なもので、
最終的な出処は間違いなく消費者サイドが担っています。
言い換えれば、
(宣伝広告に限らずですが)企業サイドの運営コストは、
本来、消費者に還元する利益から捻出されているのです。
こと、
金融の世界では分かり易く、顧客に対する価値提供とは、
出資に対するリターンとして明確に数字で証明されます。
つまり、
大々的に宣伝広告している企業ほどリターンは劣るため、
日本の感覚に合致するほど皮肉にも提供価値は減少する。
際たる例は、
主に、個人資産5億円超の人たち限定で門戸が開かれる、
『プライベートバンク』をイメージすれば分かりますね。
ご存知の通り、
プライベートバンクで大々的な宣伝をするところはなく、
誰でもウェルカムではない姿勢が信用として評価される。
恐らく、
一般的な日本人と、私たちが生きる世界の常識は異なり、
過剰に広告することこそニセモノであることの証明です。
実際、
年間で数百億円規模の宣伝コスト計上が常態化している、
国内販売される保険会社の商品では利益が見込めません。
また、
普段接する経営者たちも、大手金融機関との付き合いで、
利益を得たという方にお目に掛かったことがありません。
何故なら、
銀行であれ、保険であれ、証券であれ日本企業の多くは、
慢性的な『高コスト体質』の経営に慣れ切っているから。
そして、
そのコストを回収すべく手数料ビジネスを展開するため、
業種を問わず、尽く顧客利益が失われてしまっています。
日本人とは反対に、
海外の方々はそれを理解しているため、莫大なコストで、
宣伝・広告する企業は消費者サイドからも選ばれません。
実際、私もそのような視点で普段から世界を見ています。
大切なことなので繰り返しますが『お金』を扱う世界で、
大々的に宣伝広告を展開している会社は絶対におかしい。
それを証明する事例は、古今東西、世界に溢れています。
先日、
過払金還付請求で一世風靡したミネルヴァ法律事務所が、
第一東京弁護士会から『除名』の懲戒処分を受けました。
一時期、著名タレントを起用してCM展開していましたね。
ことの発端は2020年、
返還請求により貸金業者から回収した約30億円のうち、
25億円を超える不正な流用の事実が明るみに出たこと。
これにより、
同年(2020年)6月には負債総額51億円を公表し、
弁護士法人として過去最大となる倒産劇を展開しました。
金額が金額だけに、最初から確信犯としての犯行ですね。
恐らく、
過払金請求をする方々はリテラシー弱者確定であるため、
還付後の手数料請求でもダマせると考えたのでしょうか。
これでは、
今まで貸金業者の餌食になっていた人が、対象が変わり、
弁護士法人により食い物にされていたことと同義ですね。
そして、
過払金の還付請求であれ、B型肝炎の給付金訴訟であれ、
同様の手法・スタンスで事業展開する業者は他にもある。
やはり、派手に、大々的に宣伝広告する会社ほど怪しい。
金融の街・シンガポールの信用指標は、地味であること。
一人でも多くの方が、真理を理解されることを願います。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太