今日のテーマは、『天文学的な累積債務のツケにより、一人負けの隠れ円安は進行し続ける』です。
公式ブログでは、
情報発信をスタートした10年前から何度も繰り返して、
資産形成する上で通貨分散の必要性を訴求してきました。
直近2年間、
為替水準が『1米ドル=150円』で常態化する今ほど、
主張に説得力を感じて頂けるタイミングもありませんね。
単純に、
『1米ドル=100円』で推移した10年前と比較して、
円資産しか持たない人は約3割を吹き飛ばした事になる。
反対に、
保有資産をバランスよく外貨に振り分けていた人たちは、
仮に運用がゼロでも、円換算で1.5倍に増大させました。
昨年末時点では、
米国・政策金利の『利下げ』が開始することを考慮して、
私も含めて円高回帰(*)する見方が大勢を占めました。
*1米ドル=100円時代の到来を意味する訳ではなく、
あくまでも『現行水準よりは』という枕詞が付きます。
しかし、
皮肉なことに、高金利下でも堅調な経済指標が仇となり、
米国の利下げ観測は後退し、その圧力も鈍化しています。
結果、
年初『1米ドル=140円』付近で推移した為替相場は、
円高回帰どころか、予想に反して10円程下落している。
そして、
注目が集まりやすい対基軸通貨(米ドル)だけではなく、
その流れは高金利を維持する他通貨まで波及しています。
例えば、
欧米と異なり追加利上げの可能性を残すオセアニアでは、
NZドルが日本円に対して約10年ぶりの高値水準にある。
また、
資源国通貨・カナダドルに対しても日本円は売り込まれ、
現行の為替水準は、サブプライム危機の最中と同等です。
更には、
メキシコペソ、ブラジルレアルの新興国通貨に対しても、
売り込まれて劣勢に立たされる場面が散見し始めました。
一昨年に経験した、一人負けの様相を呈してきましたね。
その理由は明白で、
高金利を維持することが予想されている海外諸国に対し、
日本がゼロ金利にへばり付くことが見破られているから。
ご存知の通り、
天文学的な累積債務を抱える日本は、必要性が増しても、
利払が増大する懸念から金利を上げることが出来ません。
もちろん、
前・黒田政権下の異常事態からは脱却しつつありますが、
海外諸国の水準から比べれば、まだまだ日本はゼロ金利。
事実、
現時点、世界では唯一『マイナス金利』も維持しており、
4月以降の解除後も、緩和政策の維持を明言しています。
結果、
一時下火になりつつあった『円キャリー取引』が再燃し、
売る対象として、円安が急加速する状況になっています。
もしも、
このまま金利差という観点での膠着状態が長期化すれば、
現在の円安水準は予想を超えて継続することになります。
日本円にとって試練の時は続くことになるかも知れない。
だからこそ、平時からの通貨分散は必要不可欠なのです。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太