今日のテーマは、『識者による今の円安は行き過ぎという評価は、為替市場で意味を為すか』です。
基軸通貨:米ドルに対して、円安の進行が止まりません。
当初、
2024年は日米金利差が縮小していくとの見立てから、
為替市場では昨年と比較して円高回帰する予想が優勢に。
しかし、
堅調すぎる米国経済を背景に利下げ観測が先延ばしされ、
予測と逆行して歴史的な円安が進行するに至っています。
目下、
日経平均株価同様、約34年ぶりとなる水準を突破して、
『1米ドル=154円』の節目を突破してしまうまでに。
遂には、
その機にストップすると思われた円安圧力も抑制されず、
1米ドル=155円の大台も簡単に超えてしまいました。
これに対して、
各界識者からファンダメンタルズ(基礎的諸条件)的に、
『今の円安は行き過ぎ』という論調が散見されています。
中には、
独自に編み出した公式から理論値を算出する方々もおり、
その大半は130円から140円台前半となっています。
実際の取引水準から見ると、10%ほど円高傾向ですね。
中長期的には、
購買力平価を反映した数値に収斂する見方もありますが、
そもそも『理論値』に本質的な意味はあるのでしょうか。
誤解を恐れず言うと、
私見では、為替市場も『理論値』は目安の数値に過ぎず、
最終的には『現れている取引価格』がすべてと考えます。
株式同様、
それは無数の相対する意見の均衡により形成されており、
皮肉にも、表出される取引価格が理論値そのものだから。
本質的価値という観点では、そもそも存在していません。
このことは、
他の事例、スポーツ競技で考えると分かり易いですよね。
例えば、
高校野球の甲子園大会でもサッカーW杯でも良いですが、
戦力分析により、事前の優勝チームの予想が行われます。
もちろん、
それ自体を否定する気はさらさらなく、客観的な指標で、
分析、総合評価することはある程度信用に値しています。
しかし、
それと試合結果や成績予想が完璧に合致することは稀で、
現実に表れた結果は、理論値で覆すことなど出来ません。
ここでも、
理論値(事前の戦力分析)はあくまで参考の位置付けで、
現実に起こることが『絶対評価』として扱われています。
この期に及んで、
日本政府は、未だに口先だけの介入に終始していますが、
手札がバレたポーカーが如く、誰も相手にしていません。
大型連休直前、為替は予断を許さぬ状況に入っています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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