今日のテーマは、『長期金利が制御不能に陥れば、一気にデフォルトを迎える可能性がある』です。
私事ですが、公式ブログが3000記事に到達しました。
2014年5月1日にスタートして以来、実に10年超。
2023年以降、
セミリタイア期間突入後もライフワークとして継続して、
ウィークデイを中心に年間200記事超のペースで更新。
そして、
今回、大台(3000記事)突破したことを節目として、
これまでのペースでの配信は一旦終了したいと思います。
と言っても、情報発信を完全終了する訳ではありません。
あくまで、
今後は、一旦、これまでより配信するペースを落として、
書くべきテーマを書くべき時に綴っていこうと考えます。
栄えある記念回は、
これからの日本経済の鍵を握ると言っても過言ではない、
『長期金利』をテーマとして話題展開したいと思います。
恐らく、
一般の方々はほとんどマークをしていないのでしょうが、
年明け以降、金利水準がジワジワと上昇し続けています。
実際、
長期金利の指標となる、新発10年もの国債の利回りは、
24年末時点、年率1.10%前後で推移していたものが、
先月半ばには1.255%と約14年ぶりの高水準を記録。
その主因は、
これまで国債消化(購入)の最大取引先であった日銀が、
買い入れ額の漸減を公言して、実行に移している為です。
異次元緩和下、
年間80兆円前後のペースで買い支えられた日本国債は、
日銀が植田政権に移行して以降、原則として四半期毎に、
4000億円ペースで買い入れの減額が決定しています。
これにより、
発行総額から日銀の買入額を差し引いた純供給は上昇し、
必然、市場(金融機関、個人投資家)で購入されるべき、
国債の総量も増加しているというのが実際にところです。
先月(1月)時点、
10年債の純供給は1兆9500億円と速報されており、
4月には、純供給で単月2兆円の大台を突破すると予想。
つまり、
10年債のみで年間20兆円超の供給があることになり、
この金額を純粋に消化することは至難の業だと言えます。
足下、
過去10年間では経験のないほど金利は上昇するものの、
それとは裏腹に、市場参加者の反応は冷ややかそのもの。
何故なら、
1月会合では更なる金利上昇の可能性が示唆されており、
購入に動くにはタイミング的に早いと見ているからです。
仮に、
日本の政策金利が『1%』を突破してくる局面において、
10年物国債金利は『2%』を超えてくる可能性が高い。
ご存知の通り、
社会保障費や防衛費の増大で発行額自体が増えている今、
そもそも論として、全て消化できるか否かもそうですが、
長期金利が急騰することは確実に『致命傷』になります。
買い手が不足し、価格が下落して、利回りが上昇すれば、
日本国債が一気にデフォルトに陥る可能性も十分にある。
異次元緩和の副作用は、一気に現れるのかも知れません。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太