今日のテーマは、『東京23区:不動産販売価格から読み取る、日本における格差拡大の状況』です。
昨今、
メディア等を通しても頻繁に話題に上がっているように、
大都市圏・都心部を中心に不動産価格が高騰しています。
特に、
首都・東京23区内の物件販売価格の値上がりは顕著で、
4大都市圏(他大阪、名古屋、福岡)の中でも群を抜く。
先日、
国土交通省より公表された『不動産価格指数』によると、
2010年時点の販売価格平均値を『100』とした時、
2023年現在で、東京23区内のそれは『190.1』。
単純計算13年間で『約2倍』に高騰したと分かります。
また、
不動産経済研究所調査によると、東京23区内における、
マンション販売価格の平均値は『1万3000万円超』。
全体のうち、
販売価格『1億円超』の物件は実に過半数を占めており、
7000万円以下の物件は2割にも満たないと言います。
更に、
前者(1億円超)が9割以上の成約率を誇るのに対して、
後者(7000万円以下)のそれは5ー6割程に留まる。
因みに、
会社員の平均年収は、平成以降30年以上停滞を続けて、
2023年現在、未だ400万円台半ばを脱してません。
また、
金融機関の融資条件(年収に対しての上限7ー8倍)も、
特別、緩和傾向にはないというのが現実としての話です。
それらを考慮して、
恐らく、中国人を始めとした海外投資家が円安に乗じて、
日本の都心不動産を買い漁っていると予測していました。
しかし、
この予測は、完全に、私の見当違いだったことが分かり、
購入者の大半を、日本人が占めていると言われています。
一体、日本の不動産市場で何が起きているのでしょうか。
結論から言うと、
このような現象(1億円超物件の爆売れ)が起こるのは、
日本人の経済格差の『二極化』が進行する事が理由です。
と言っても、
年収1500万円以上の所得層は相変わらず1%程度で、
話題にする『億ション』が購入可能な収入レベルである、
年収2000万円超えの所得層は大きく増加していない。
ただし、
ニッセイ基礎研究所の調査によると妻が上場企業勤務で、
『年収1000万円』以上の収入を達成している場合に、
夫も基準を満たす割合が『約73%』に上ると言います。
更に、
それより下の所得層でも、夫婦としてカップリングする、
男女の収入レベルには『相関関係』が見られるのだとか。
つまり、
現在の日本の経済格差は、それぞれ単体としてではなく、
『世帯間(夫婦間)格差』として拡大しているという事。
そして、その傾向は今後も継続することが予想されます。
日本から『中流層』なる言葉が完全に消え去ってしまう。
そんな時が、刻一刻と迫りつつあるというのが実情です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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代表 井上耕太