今日のテーマは、『欧米と対極のポジションを取る日本経済は、果たしてどこに向かうのか』です。
今、世界マーケット全体が1つの転換点を迎えています。
先月末、
奇しくも、日米同日開催となった金融政策決定会合では、
『金利』の観点で、両者は全く反対の判断を下す結果に。
日本銀行は、
政策金利とされる無担保コール翌日物金利の誘導目標を、
現行の0ー0.1%程度から0.25%に引き上げました。
また、
現在、月間6兆円規模で実施する市場からの国債購入も、
2026年を目標に半減(約3兆円)させると言います。
つまり、
前任の黒田政権下で10年間続いた異次元緩和を修正し、
金融政策を『引締め』方向に一転させているということ。
最近では、
黒田東彦・前総裁下では絶対に使用することのなかった、
『正常化』という言葉で報道されるのが興味深いですね。
対して、
欧米ではコロナ後3年ほど続いた引き締め政策を終了し、
政策金利が『利下げ』へと転じる時期が近付いています。
先日、
一足先に英・中央銀行は『0.25%』の利下げを決定し、
同国の政策金利は『5.00%』に変更が決定されました。
これは、
2020年3月以来、約4年5カ月ぶりの出来事となり、
今年6月、ECB(欧州中央銀行)の決定を追従するもの。
また、
米国では今回のFOMCで政策金利は据え置かれたものの、
最短シナリオとして、次回9月の会合時の利下げを示唆。
10月以降も、
FOMCは年内2回(11月、12月)が予定されており、
以前の見方に反して利下げ3回実施派が大勢を占めます。
恐らく、
『対極ポジションを取る』との明確な意図はないものの、
日本の金融政策は、常に欧米のそれと逆行してきました。
サブプライム危機後、
欧米のマーケットが金融緩和で経済回復に尽力する一方、
時の白川日銀総裁は、頑として金融引締め姿勢を譲らず。
結果、
2024年の日本とは真逆の『歴史的円高』が進展して、
この時はこの時で、経済回復から独り取り残されました。
その後、
バトンを受けた黒田・前総裁はバズーカを撃ち放ち続け、
出口戦略を定めないままに『異次元緩和』を継続します。
そして、
最後にババを引かされているのが植田和男現総裁ですが、
求められるのは、痛みを覚悟した上での金融正常化です。
果たしてどんな苦難が待ち受けるかは誰も分かりません。
東洋のガラパゴスは、独自進化を続けることになります。
——————————————————————–
昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
——————————————————————–
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太