今日のテーマは、『ロシア国債の利回り急騰から、私たち日本人が学ぶこと』です。
書き始める時間が遅くなった為、本日は少しだけ。
時間も限られているため、早速、本題に入ります。
直近、
米国・欧州諸国主導する経済制裁の影響を受けて、
ロシア国債の利回りが急騰する場面がありました。
この状況下、
経済的観点でも『ロシア』への肩入れは分が悪く、
通貨『ルーブル』を保有するメリットもほぼ皆無。
あらゆる要素が『ネガティブ』に働くことになり、
『美人コンテスト』の順位も断トツの最下位です。
実際、
ルーブル建『10年債』の利回りは20%に迫り、
一旦落ち着くものの現在も2桁を維持しています。
更に、
2047年償還の長期債は、一時70%まで急騰し、
その後も、『20%台』を維持しながら推移します。
基本的に、
『国家』が発行する債権は無リスク資産と言われ、
日本人が好きな『元本保証』と考えられています。
仮に、
『ロシア国債』がこの原則を守ることが出来れば、
投資対象としては、相当魅力的なものになります。
しかし、
現実は『真逆』の評価を受けており、発行母体の、
『信用』が低下するのに伴い取引価格が上昇する。
『債権』に限らず、
凡ゆる『投資対象』に適切な利回り水準が存在し、
ロシア国債の現在の水準は、それを逸しています。
逆に言えば、
其々の『国家』が発行する債券の利回りを見れば、
対象となる国家の『財政健全性』が分かるのです。
3月30日、
日本銀行は『日本国債』買い入れの増額を発表し、
1日の購入額として『2.3兆円』に肉薄しました。
この状況は、
ここから暫くの間、継続されると考えられており、
長期債・短期債に関わらず満遍なく購入されます。
理由は、
『日本国債』に対して、大きく買いを入れる事で、
取引価格を維持して、利回りを安定化させるため。
政府・日銀は、
何故か、以前から『利回り』を押さえ込んでおり、
このマスキングにより、適正評価不能に陥ります。
現時点、
日本国が発行する『10年もの』の債券利回りは、
年率換算で『0.200%』前後を推移しています。
単純に、
『数字』を見れば、発行母体の信用は高いですが、
海外諸国の『評価』は、それとは乖離しています。
もしも、
海外諸国からも『日本国債』が評価されるのなら、
今回のような、日銀の『巨額買入れ』は不要です。
恐らく、
政府・日銀は、日本国債を本当に適正評価した時、
その利回りが高騰してしまうことを把握している。
それ故、
理解する人間から見れば『違和感』を感じるほど、
その利回りを『低い水準』に押さえつけるのです。
常に『ストッパー』が掛かった状態と言えますね。
それでも、
そのような『正常』という評価には程遠い状況が、
未来永劫、継続していくとはまったく思えません。
そして、
その『ストッパー』が、閾値を超えて外れたとき、
日本国債は、ロシアのように利回り急騰が起こる。
残念ながら、その時点で気付いても手遅れですが。
『戦闘』としての、
ロシア・ウクライナ紛争は、遠くの出来事ですが、
経済的観点では『学ぶべきこと』が多く含まれる。
有名な格言で、
愚者は『自らの経験』からしか学ぶことが出来ず、
賢者は『歴史・他者』から学ぶという言葉がある。
常に、『当事者意識』を持った考え癖が大切です。
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現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太