今日のテーマは、『1米ドル=150円が常態化した為替市場から、私たちが学ぶべきこと』です。
昨夜(2月13日)、
公表されたCPI(米消費者物価)は市場の予測を上回り、
ドル買いが広がったことで、再び円安が進行しています。
直近2年間で何度目か、『150円』の大台突破ですね。
その前週には、
1月度の米・雇用統計も公表されており、こちらも堅調、
市場予測を上回る、前月比35.3万人増となっています。
これにより、
1米ドル=140円台後半の水準が維持されていた事も、
再び大台(150円)突破する布石になっていましたね。
もちろん、
力強い経済指標は、本来はポジティブに解釈されますが、
現在の状況では、米経済の緩和先送りを意味しています。
恐らく、
次なる上昇相場は利下げ転換と共に訪れますが(予定)、
経済の底堅さゆえ先送りされるという悩ましい状況です。
為替の話に戻すと、
米・政策金利が維持されることは金利差解消に繋がらず、
日本円に主観を置いたとき、ネガティブに働いています。
理屈上は、
日本サイドも金利を上げることで修正可能なはずですが、
天文学的な累積債務が足枷となり、その選択肢は厳しい。
日本政府・中央銀行は、囚人のジレンマに陥っています。
先日、
日銀がマイナス金利の解除に動く可能性に触れましたが、
総裁・副総裁が揃って、その後も緩和政策が続くと発言。
既に、
そのこと自体は市場にも折り込み済みだったはずですが、
念押しの発言を受けて、市場も敏感に反応していました。
早いもので、
ドル円120円以下の膠着状態が破れて2年経ちますが、
日本人が待ちわびる円高回帰は、少し先になりそうです。
ただし、
大半の日本人にとっては好ましくない急激な円安進行も、
全員に共通する課題かと問われればそうではありません。
お察しの通り、
99%の日本人が、日本円資産の棄損に悩まされる一方、
少数派ながら1%未満の人々は大きな恩恵を享受します。
それは、
長年、保有資産の資産バランスを意識的に見直し続けて、
効果的に『外貨資産』に振り分けることが出来た人たち。
例えば、
海外の優良債券(年率約4%)を用いて運用することで、
米ドル換算で1.5倍の利益を得る商品があったとします。
仮に、
運用の前後で為替が変わらなければ利益は50%ですが、
円安の恩恵に与れば、円換算のリターンは2倍超に増大。
言うまでもなく、
保有資産に占める、『外貨資産』のシェアが高い方々は、
直近2年で進行した円安(?)を歓迎しているはずです。
ご存知の通り、
『日本円』は唯一無二の通貨ではなく、世界全体として、
経済活動の決済シェアは『約10%』に留まっています。
これを客観視し、
あくまで『ローカル通貨』の1つであることを認識して、
効果的に資産分散する意識は、不可欠だと感じています。
20世紀のままの概念でストップしている人については、
このあたりの考え方も、早急にアップデートが必要です。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太