今日のテーマは、『新たに160万人が加入する厚生年金適用拡大は、真に国民のためを考えての政策か』です。
ちょうど一ヶ月前にも同様のテーマで記事を書きました。
昨日6月25日、
厚生労働省はパートら短時間労働者の厚生年金加入の際、
制限してきた企業規模要件の撤廃を正式に表明しました。
現在、
従業員数が101人以上の企業に制限されているそれは、
今秋10月には対象が従業員数51人以上の企業に緩和。
将来的には国民全員を加入対象とターゲティングします。
また、
これまで対象外だった、従業員5人以上の個人事業所も、
全ての業種で厚生年金制度を適用する方針とのことです。
奇しくも、
来年2025年は5年に一度の年金制度改革の年ですが、
徐々に、その変化はドラスティックさを増してきている。
もしも、
この変化をポジティブに捉える点があるとすればそれは、
受給する年金額が増額する可能性があることでしょうか。
現行制度では、
個人事業主を筆頭に、厚生年金制度から溢れた人たちは、
リタイアメントインカムとして基礎年金しかありません。
ご存知の通り、
1階部分に相当するそれは、収入源として十分ではなく、
現行水準ですら満額でも月額支給額は7万円に満たない。
これに、
2階部分が加わっても、勿論フルカバーは厳しいですが、
1階部分のシングルインカムよりマシなことは確実です。
果たして、
このようなお上(政府)の説明をそのまま鵜呑みにして、
私たち国民サイドは信じてしまっても良いのでしょうか。
結論から言えば、
自らリタイアメント・インカムを準備できる人にとって、
全くメリットはなく、むしろ足枷となるような改悪です。
もしも、
私たちに、公的年金制度加入の選択権があるのであれば、
私自身は、即答かつ、丁寧に加入しない旨を申告します。
*実際には公的年金制度は選択権のない強制加入であり、
滞納のペナルティの厳しいため正しく納付しています。
その上で、
今回であれば、厚生年金保険料で徴収予定だった資金を、
刷新されたNISA制度を活用して無税運用するでしょう。
実際、
『上記の手法以上のリターンを返してくれますか?』と、
お上に質問したとして彼らは絶句するより他ありません。
話を戻すと、
制度改正による新規加入者は企業要件撤廃で130万人、
5人以上の個人事業所を含めることで30万人増加予定。
要は、
これまで現行制度で取りっぱぐれていた160万人から、
厚生年金保険料を強制徴収できるようにしたに過ぎない。
残念ながら、私たちのことなどさらさら考えていません。
今、まさに燃え盛っている公的年金という名の火の車に、
対症療法的にコップで水をかけて消化活動しているだけ。
延命効果も定かでない上、将来的な終焉も見えています。
私たち日本人はそのような状況に生きているということ。
自らの立ち位置は正しく認識しておく方が良さそうです。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太