ツギハギだらけの【公的年金システム】に、解決策はないと知ること。

今日のテーマは、『ツギハギだらけの公的年金システムに、解決策はないと知ること』です。

 

 

日本の『公的年金システム』が、混迷を極め始めました。

 

 

と言っても、決して、今に始まった事ではありませんが。

 

 

先日、

 

 

厚生労働省は全国民が加入する基礎年金(国民年金)の、

給付抑制を、予定より早期に停止する検討に入ると公表。

 

 

現行、

 

 

現役世代(保険料負担サイド)の人口減を反映する形で、

年金給付額を減少する『マクロ経済スライド』が発動中。

 

 

これにより、

 

 

基礎年金(国民年金)は、2046年度まで長期に渡り、

段階的に調整(給付減額)されることが決定してました。

 

 

現時点、

 

 

最終的な『底』とされた、2046年度の年金給付額は、

納付条件を完全達成した満額でも『月額5万円』に未満。

 

 

今年に入り、

 

 

実質目減りしつづける『日本円』の価値を度外視しても、

この数字(支給額)では、路上生活すらままなりません。

 

 

そこで、

 

 

前述の『マクロ経済スライド』を、早期に停止した上で、

基礎年金(国民年金)の給付減少を食い止める狙いです。

 

 

その為の財源は、

 

 

国庫負担に加えて、『会社員』の方が加入する年金制度、

『厚生年金保険料』から賄われる事が計画されています。

 

 

確かに、

 

 

厚生年金は『源泉徴収』の為、取りっ逸れはないですが、

権力を行使し過ぎると、会社員の一揆が勃発しそうです。

 

 

今回、

 

 

基礎年金(国民年金)給付減額を抑制する狙いとしては、

表向きは、厚生年金との格差をこれ以上拡大しないこと。

 

 

しかし、

 

 

これまで、社会経験が豊富な皆さんなら理解される通り、

どの世界にも、『本音』と『建前』は確実に存在します。

 

 

実際、

 

 

基礎年金(国民年金)の給付減額を抑制する『本音』は、

保険料未納率を、これ以上高めたくない事と予想します。

 

 

*原則、年金制度は全国民の加入が義務付けられており、

 その保険料は『強制徴収』されることとなっています。

 

 

*もしも、これに違反した(保険料を滞納した)場合は、

 最悪のケースで『保有資産』が差し押さえられる事も。

 

 

*しかし、実質、保険料納付割合は75%前後で推移し、

 国民年金加入者の4人に1人が滞納するのが実情です。

 

 

これに対して、

 

 

会社員が加入する『厚生年金保険』は源泉徴収される為、

保険料納付率は、ほぼほぼ100%達成して推移します。

 

 

ここまでであれば、

 

 

『国民年金』に加入している方々(自営業者等)ばかり、

『メリット』を享受しているような印象に映りますよね。

 

 

しかし、

 

 

現実は、そこまで単純な問題として片付けられておらず、

今回は、『アメ』と『ムチ』が同時に執行されています。

 

 

日本政府は、

 

 

上記の報道と同じタイミングで、『国民年金』に関して、

保険料納付期間を『5年間延長』の検討に入る事を公表。

 

 

現行、

 

 

国民年金保険料は、年間で『約20万円』の負担ですが、

これにより保険料納付は『総額100万円』増加します。

 

 

言い分としては、

 

 

60歳以上の会社員は既に負担している、との事ですが、

これでは、まるで60歳で退職した方々が悪者扱いです。

 

 

今回の事例に留まらず、

 

 

日本の『公的年金制度』は、これからの将来においても、

受給者(国民)サイドから見て、益々改悪され続けます。

 

 

ただ、それに対して、論理的な理由などは存在しません。

 

 

現役世代(保険料納付サイド)が、慢性的に減少し続け、

高齢者(年金受給サイド)は、反比例して増加していく。

 

 

その現実に対して『根本的解決策』は講じられる事なく、

ただただ、『延命措置』が繰り返されると心得ましょう。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

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