今日のテーマは、『世界から再び取り残され始めた日本円は、果たしてどこへ向かうのか』です。
これまでも繰り返し、公式ブログを通じて『日本円』が、
世界の為替市場から取り残される状況に触れてきました。
私自身、
日本国内に居住し、日常生活を送る身として皆さん同様、
急激な為替相場の変動(特に円安)は歓迎していません。
実際、
資源に乏しく、燃料・食糧の多くを輸入に依存する国で、
生活必需品も含めた生活コストは、直近3年ほどで激増。
これは、
為替相場が円高回帰することがあっても大きく変化せず、
私たちが切望する『古き良き時代』は戻っては来ません。
それでも、海外先進諸国と比べればまだまだマシですが。
恐らく、
対米ドル100円時代の再来を期待する人はいませんが、
そこまででなくても、為替水準は改善するのでしょうか。
少しだけ振り返ると、
現在、国際市場で『日本円』が独り負けを続ける主因は、
政府・中央銀行が定める金利差に由来すると言われます。
インフレ抑制のため、
政策金利を5%前後に引き上げている欧米諸国に対して、
日本は財政の構造的な問題から、それを追随出来ません。
基本的に、
短期視点では『低金利通貨』は売られる傾向にあるため、
金利差拡大の近年、日本円は劣勢に立たされてきました。
しかし、
欧米諸国が『利下げ』に転じる場面は、必ず訪れるため、
必然、金利差も縮小されて課題は解消の方向へと動くと。
これは、
とてもシンプルで理解し易く、筋の通った説明である為、
多くの日本人が信じて厳しい時代を耐え忍んできました。
しかし、残念ながらロジックは破綻しようとしています。
先週6日、
ECB(欧州中央銀行)は予定していた定例理事会を開催、
主要政策金利の『0.25%利下げ』を正式決定しました。
同金利が、
引下げに転換したのは約8年3ヶ月ぶりの出来事であり、
素直に考えれば、間違いなくあポックメイキングな瞬間。
また、
主要政策金利が引き下げられたことにより民間銀行から、
ECBに預け入れる際の金利も、もちろん引き下げられる。
そこから、
欧州社会全体に波及して凡ゆる金利が引き下げられる為、
前述の通り、日欧の金利差は縮小される運びとなります。
しかし、
この報道の前後で、1ユーロ=約170円の為替水準は、
まったく変化せず、歴史的安値圏で推移し続けています。
確かに、
市場に折り込み済の情報だったと言えばそれまでですが、
それでもレスポンスが無かったことの説明がつきません。
前日5日には、
中央銀行であるBOC(カナダ銀行)も政策金利にあたる、
翌日物金利の誘導目標を引き下げることを発表しました。
欧州同様、
引下幅は0.25%で、政策金利は4.75%になりますが、
対日本円の為替レートは、こちらも殆ど変化ありません。
もちろん、
世界有数の資源国で知らる同国ですがそれを考慮しても、
ローカル通貨に負ける状況は厳しいと言わざるを得ない。
ご存知の通り、
日本時間の明日(6月11日)夜からは、米国において、
定例のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
当然、
その中では米国の政策金利についても話し合われますが、
利下げの年内見送りが示唆されれば、一段安に進行する。
『日本円』は相当に厳しい立場へと追い込まれています。
紙幣刷新も目前に迫り、まさに佳境へと突入しています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太