今日のテーマは、『最後の黒田サプライズ、2023年以降の日本経済は如何に』です。
ちょうど一週間前の12月20日、年の瀬も押し迫る中、
久々にインパクトある『サプライズ』が発表されました。
日銀・黒田東彦総裁は、
それまで『0.25%』で管理していた国債の長期金利を、
突如として、上限『0.50%』に引き上げることを公表。
市場は即座に反応して、該当債権の長期金利も大幅反発。
これまで、
乖離が進んでいた『日米金利差』も縮小する方向へ動き、
対米ドルの『円相場』も1営業日で6円程変動しました。
また、
実質的な『利上げ』の進行により、株式市場は大幅下落、
現在も一週間前と比較して約10%下落して推移します。
私自身も含めて、今回は、完全に『虛』を突かれました。
黒田東彦・現日銀総裁の任期が終わる来年4月8日まで、
金融政策の変更はなく、完全に、無風と決めつけていた。
今回のサプライズが『ポジティブ』か『ネガティブ』か、
それぞれ置かれた立場により、その評価は割れる所です。
それでも、少なくとも、私自身は好意的に捉えています。
その後、
記者会見でも、黒田日銀総裁が繰り返し述べている通り、
日本のそれは、米国の『利上げ』とは厳密に異なります。
実際、
日銀は『政策金利を上げる』とはアナウンスしておらず、
未だ、長期金利は誘導目標『0%』のままで維持される。
ただ、
これまで、『0.25%』を上限として買い入れた国債を、
『0.50%』まで許容するように方針転換しただけです。
これを、
『金融引締めか』と問われれば、厳密には異なっており、
日銀としては、緩和を維持しているスタンスを取ります。
これは、フィクサーにより練りに練られた『妙手』です。
仮に、
『サプライズ』なく、無策のままで任期を終了した場合、
次期総裁が展開する政策は、非常に『手』が限られます。
これまで、
公式ブログで繰り返し述べてきた通り、世界に逆行する、
『緩和』を縮小して、『政策金利』も上げざるを得ない。
しかし、
方向性(金融緩和)を変えず、潮流変化させたこの手は、
あらゆる『可能性』を、来春4月以降にも残しています。
果たして、
再び『失われた30年』が始まってしまうことになるか、
それとも、世界を追随して、株式市場は再浮上するのか。
世界に相関せず、良くも悪くも『独立事象』で振る舞う、
日本の株式市場の動向が、俄然、面白くなって来ました。
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