最近、製造物責任訴訟として、
日本で過去最高の和解金支払いが決定した企業があります。
『武田薬品工業』
言わずと知れた、日本トップの製薬企業です。
糖尿病治療薬『アクトス』の副作用として、
膀胱癌が増加したとの訴訟を受け、最近和解合意しました。
原告団との和解金総額、実に『27億US$』。
現在のレートで約『3240億円』。
もうデカ過ぎて、よくわかんないすね(笑)
武田薬品工業は、このお金を前期で損金計上するので、
2014年度は、上場以来初の赤字決算となります。
しかし、その状況下でも、
2015年度の年間配当『180円』維持は早々に発表。
このことは、株主から少なからず好評価を得ています。
この他にも日本では、
『業績不振でも配当維持』の企業が高く評価される傾向があります。
確かに、株主サイドから見たら、
『将来のお金』よりも『今年のリターン』
『将来の1億』よりも『目の前の100万』
的な思考が優先するのもわかります。
でも、これとまったく『逆』のことをしてる企業をご存知ですか??
『バークシャー・ハサウェイ』
言わずと知れた世界No.1投資家、
ウォーレン・バフェットの経営するファンドです。
長年、バークシャーは『無配』をポリシーにしてきました。
それは、バフェット自身の、
『バークシャーの株を保有すること自体が、
株主にとっての最高の投資となる。』
という考え方に基づいてのものです。
少し冷静に考えればわかりますが、
そもそも『配当』とは、企業の『利益』です。
企業の第一命題は『ゴーイングコンサーン』。
つまり、『永続』することです。
となった時に、本来の考え方で言えば、
『利益』は次の事業展開に使われるのが理想。
あくまで『利益』は、過去のものです。
その先も繁栄するか、衰退するかは、
その『利益』の今後の使い方いかんによります。
で、バフェットは、
『利益』を株主に配当として出してしまうより、
自分達が更なる『投資』に回した方が利益が上がる、と。
要は、『自分が1番、お金の使い方が上手い!』と言ってる。
バークシャーの企業価値はこれからも上がるから、
『株式保有が、株主の最高の投資』ということです。
さすがバフェット、『格』が違います★
つまり、『配当』を出すということは、
経営者サイドから見たら、『投資』を放棄してる行動。
『どう使ったらいいかわからんから、
今後の投資は自分でやって。』
と株主サイドに投げている状態です。
とは言っても、『無配』という戦略は、
相当な自信と信用がないと資金調達出来ないのも事実。
短期視点で『配当』を狙うのもいいですが、
今日ご紹介した視点を持つことも、良いかも知れません(^_^)
*今日のblogは、決してバークシャー株購入を
すすめるものではありません。
*バフェットは現在高齢で、
『この天才の引退後、バークシャーが同じパフォーマンスが出来るのか?』
ということは、常に語られているからです。