日本の【プライマリー・バランス正常化】は、果たして可能なのか??

今日のテーマは、『日本のプライマリー・バランス正常化は、果たして可能なのか??』です。

 

 

そもそも、一般的には言葉の認知度が低いかも知れません。

 

 

ですので、『プライマリーバランス』の説明から入ります。

 

 

と言っても、シンプルに理解できると思うので、ご安心を。

 

 

例えば、

 

 

社会保障や公共事業等、国家運営する上で掛かるコストを、

主に税収等の歳入で、賄えているかどうか示す指標のこと。

 

 

より簡潔に表現するなら日本国家の『収支バランス』です。

 

 

厳密には、

 

 

国家運営コストの総額から、『国債費』は除かれています。

 

 

本来であれば、

 

 

国債償還・利払い含めての『黒字経営』が望ましいですが、

日本国の現状を考えると、それは、幻想レベルの目標です。

 

 

そこで、

 

 

一旦、『国債費』を除いた『政策的経費』に焦点を絞って、

税収等により賄えるレベルに持ち込もうとしているのです。

 

 

今更ですが、

 

 

多くの方々もご存知の通り、日本国の『収支バランス』は、

長きに渡って、大きく『マイナス方向』へと傾いています。

 

 

そして、

 

 

その足らずは新たな『国債発行』により賄ってきましたが、

累計額は『天文学的水準』に高まりを見せてしまいました。

 

 

個人レベルでも、

 

 

私たちは、時間かけて身に付けた(身に付いた?)習慣を、

簡単には『良い方向』へ修正できないことを知っています。

 

 

それは、

 

 

『国家』という(超)巨大組織になれば、尚さらのことで、

習慣化された『借金体質』の正常化は、現状、ほぼ不可能。

 

 

先日、

 

 

昨年(2021年)度、一般会計決算の概要が公表されて、

不要額が過去最大の『6.3兆円』にのぼると判明しました。

 

 

更に、

 

 

執行を翌年度に繰り越した予算は『22.4兆円』にのぼり、

昨年度『使わなかった経費』の総額は30兆円に迫ります。

 

 

因みに、

 

 

前者は、中小企業・サービス産業支援策を見込んだものが、

ばら撒き切れずに、『6.3兆円』ほど余ってしまったもの。

 

 

そして、

 

 

後者は『国民給付』を渋りまくって実現しなかったものや、

観光支援策、国土強靭化等、時期を見誤ったものが主です。

 

 

もともと、

 

 

2021年度一般会計は当初案で『107兆円』を計上し、

補正も入り、総額『142兆円』の巨額歳出になりました。

 

 

前述の通り、

 

 

そこから『約30兆円』ものコストカットに成功したので、

これが民間企業や一般家庭であれば、絶対的な『善』です。

 

 

それは、

 

 

キャッシュフロー上で『経費』が削減できた額がそのまま、

単純計算として、『利益』を押し上げることに繋がるから。

 

 

誰から見ても、素直に『ポジティブ』に評価されますよね。

 

 

しかし、『国家予算』となると、話は単純ではありません。

 

 

何故なら、

 

 

政治家の先生方は、『予算を使い切ること』を大前提とし、

『コスト・カット』なる崇高な(?)概念は存在しません。

 

 

残念ながら、

 

 

前年度繰越し予算も『使い切り』を前提に考えられており、

間違っても、ベースの一般会計予算が削減される事もない。

 

 

恐らく、

 

 

前年度『30兆円』に迫る資金を使い果たせなったことで、

各部署の責任者は、厳しく責任を追求されているはずです。

 

 

この辺りは、評価が『民間』とまったく逆になっています。

 

 

日本国の『プライマリー・バランス正常化』は、叶わぬ夢。

 

 

私たち日本国民も、『現実』を直視した方が良さそうです。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

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