今日のテーマは、『なぜ、経済的に追い込まれた人たちは愚かな選択ばかり繰り返すのか』です。
昨日の記事中、
少しだけ触れたので気付いた方もいるかも知れませんが、
公的年金は、残念ながら完全なるポンジ・スキームです。
つまり、
利益(支給額)の大半が運用でもたらされるのではなく、
新規流入者が投じた資金によって賄われているシステム。
必然、
早期加入者は拠出以上の利益を得る可能性もありますが、
ピラミッドの末端加入者になるほど、マイナス幅は増大。
実際、
政府は、以前からその事実をオフィシャルに認めていて、
現役世代のほぼ100%が対保険料で払い損になります。
それでは、
なぜ、私たちがそれ(公的年金)に加入するかと言うと、
それが、国家権力により運営される強制加入制度だから。
元々、
私たち国民サイドに『選択権』は端から存在しておらず、
もしそれがあるなら、賢明な方々は加入しないでしょう。
ただ、
それ以外、つまり『任意』のはずのポンジスキームにも、
自ら足を踏み入れてしまう人たちは、巷に溢れています。
百歩譲って、
頭のネジが外れて、思考能力自体が欠如する人であれば、
その罠に嵌ってしまうのも仕方がないのかも知れません。
しかし、
中には、一般水準の認知機能に問題がない人であっても、
リスクを把握しながら進むケースがあるということです。
その理由は、何なのか。
これは『行動経済学』を考慮すると明確に説明可能です。
大前提として、
私たち人間は、実は自らが認識しているほどは賢くなく、
経済合理性に則って、判断・行動する訳ではありません。
むしろ、
物ごとの善悪を判定する基準は頻繁に変わってしまうし、
場の雰囲気に流されて意思決定することなどもしばしば。
そして、
仮に、同一人物であっても、参照点が異なるケースでは、
まったく『正反対の決断』をしてしまうこともあります。
参照点とは、判断を迫られる時点の経済状況のことです。
例えば、
保有資産が1億円を超えて、一般基準で余裕のある人は、
ギャンブルをする必要性がないことは理解出来ますよね。
その基準に達した人は、
短期間(5年未満)で総資産を倍増させる必要などなく、
資産を『毀損しないこと』を第一義に運用を実行します。
総資産に対して年率10%運用あれば御の字でしょうか。
しかし、
経済的に貧しい方々はリスク承知で勝負するしかない為、
精神的にも余裕がなく、大博打に打って出る傾向がある。
また、
保有資産も少ない(経済的に貧しい)為、本来働くべき、
『損失回避』という制御機能も不全に陥っているのです。
結果、
裕福な人たちと異なり、『リスク』ばかりを追い求めて、
人生全体を通して経済的観点で低空飛行することになる。
負のスパイラルを抜ける為には、思考回路を変えること。
救出の方法は、自助努力によるその方法しかありません。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太