今日のテーマは、『欧州が推進する新法案は、私たちの資産形成を後押しするのか??』です。
今週12月5日、
EU(欧州連合)の主要機関はアパレル業界を対象にした、
売れ残る衣料品の廃棄を禁じる法案に大筋合意しました。
長年、
黙認されたファスト・ファッション業界の悪習を取締り、
衣料品の大量廃棄に歯止めをかけるべく動きはじめます。
もともと、
環境に対する意識の高い欧州ではアパレル業界に対して、
環境配慮を義務付けるエコデザイン規制が存在しました。
新法案では、
このエコデザイン規制が厳格化されて、耐久性に加えて、
商品の修理やリサイクルの容易さまで求められています。
さらに、
製造過程でもエネルギー資源を効率的に使うことのほか、
デジタル情報パスポート(*)導入も検討される事から、
レベルの高さ、欧州の本気度も窺える内容となっている。
*原料調達〜リサイクルの情報にアクセスできる仕組み。
この辺り、
先日、環境問題に対する取り組みが世界的に評価されて、
映えある化石賞を受賞した日本と雲泥の差がありますね。
新法案は、承認されてからは2年後の施行となっており、
審議が順調に進めば、2026年早々にスタートします。
この流れにより、
廃棄禁止対象が、今後、アパレル業界のみに限定されず、
それ以外の様々な業界に波及する可能性も秘めています。
産業革命以降、
特に、20世紀後半から現在に至る直近の約50年間は、
『大量生産・大量廃棄』が資本主義を強固に支えました。
一見、
このシステムで安価な商品にアクセスが可能となった為、
消費者サイドに大きな恩恵があると考えられがちですね。
しかし、
大量生産・大量消費が前提条件の世界はそれを凌駕して、
発信者サイド(セルサイド)に圧倒的に有利に働きます。
何故なら、
先日も情報デトックスを取り上げたように、現代社会は、
油断したら無意識のうちに情報に暴露されてしまうから。
そして、
自然科学界でとても有名な、次のようなお洒落な格言も、
人間社会のコトワリを表す、分かり易い真理だからです。
膨張し続けている『宇宙』と『人間の欲望』については、
際限ないことが分かっている。尤も前者に確証はないが。
話を戻すと、
経済的な独立を果たし、真の意味で自由を実現するには、
モノを『所有すること』の執着を手放す必要があります。
恐らく、
経済的に成功を収めた方々は理解されていることですが、
『所有』という行動をするほど人生は不自由になります。
反対に、
『所有』という概念とともに、現実にモノを手放すほど、
人生全体における『自由度』は格段にアップするのです。
一面的な視点で、
欲求が低いと揶揄されがちなZ世代は、視点を変えれば、
いち早く、時代錯誤の感覚を手放したのかも知れません。
欧州連合が推進する、大量生産・大量消費からの脱却は、
私たちの『資産形成』を後押しする契機となり得るのか。
思考回路をアップデートするチャンスとして期待します。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太