今日のテーマは、『満額回答の新生NISA、それでも富裕層が利用しない理由とは??』です。
以前の公式ブログでは、
『複雑化するNISAは年金問題を解決するか?』と題して、
2024年、刷新予定の同制度の問題点を指摘しました。
恐らく、各方面・識者からも批判が相次いだのでしょう。
1ヶ月も経たない間に、全く異なるものに書き換えられ、
『新生NISA』がスタートする公算が強まってきました。
結論から言うと、タイトルにした通り『満額回答』です。
先ずは、
制度として『恒久化』されたため、拠出・運用期間とも、
『5年間』等の縛りを受けることなく無制限化されます。
また、
年間拠出額も、積立・個別銘柄(*)総額360万円と、
当初予定したもの(年間120万円)から3倍の大幅増。
*金融庁認可ファンド選択の『積立型:120万円』と、
個別銘柄選択可能な『成長投資枠:240万円』です。
先日指摘した、
『2階建て構造』自体は残るものの、投資額も整理され、
12ヶ月で割り切れることから、すっきりした印象です。
更に、
新制度は、『1階部分』のみの利用も可能となっており、
投資上限1800万円を、積立で埋めることも可能です。
仮に、
『月額5万円』を積み立てする場合、ドルコスト運用で、
30年間(*)もの期間、無税運用の恩恵に与かれます。
*月額5万円 ✖️ 12ヶ月 ✖️ 30年間=1800万円。
正直、ここまで拡充されるとは想像していませんでした。
一般的な感覚から言えば、前述の通り『満額回答』です。
しかし、
それでも尚、『経済的自由』の実現を目標にする方々が、
ライフプランの軸に据えるかと言えば、回答はノーです。
実際、私自身も、職業柄『NISA制度』は利用しますが、
間違っても、それを軸として『資産形成』は考えません。
もちろん、
前半で展開した話は本心であり、草案通りに実現すれば、
制度として『真理』を突いたものであることは認めます。
それでも、
ライフプランニングの軸になり得ない理由を問われれば、
生涯の『非課税投資枠』が設定されている点を挙げます。
冷静に考えてみてください。
仮に、生涯投資枠『1800万円』を使い切ったとして、
運良く3倍運用に成功しても『5000万円』程度です。
この金額は、
30年後、40年後という、現役世代の未来を考えた時、
『年金ギャップ』を埋められるか、ギリギリの数字です。
2022年現在、
諸々条件を考慮して、年金制度の破綻が確実視される今、
『不公平』を理由に出資制限を設ける意味が分からない。
*生涯非課税投資枠(1800万円)を設定する理由は、
富裕層に恩恵が偏る、不公平を生まない為だそうです。
正直、そのような『ゆとり教育』は既に終わっています。
実際、
折角、素晴らしい制度を作っても、出資制限を定めれば、
投資マネーの『海外フライト』は確実に起こるでしょう。
この辺り、
お役人の考える事は、最後まで『詰め』が甘いと言うか、
良い所まで行っても、どこか『ピント』がずれています。
共産主義思想が一掃された時、日本の投資は進化します。
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2023年1月より、【セミリタイア期間】に入るため、
次回以降【資産形成セミナー】の開催は完全に未定です。
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代表 井上耕太