今日のテーマは、『年収500万円の会社員が、安定収入:年間96万円は真実か??』です。
先日、SNSタイムラインに流れる某広告が気になりました。
勘の良い方は、上記フレーズで察しがつかれると思います。
そう、会社員を対象に『不動産投資』を斡旋する広告です。
一般に、ワンルームマンション投資と言われるものですね。
仮に、
上記フレーズが、そのまま『真実』を表しているのならば、
『年収500万円』の会社員は、労せず年収20%アップ。
昨今、
有名(超)大企業ですら、ベア率はほぼゼロを推移する中、
魅惑とも言える『錬金術』が編み出されることになります。
果たして、本当に、そのような事は起こるでしょうか??
簡単にロジックをご紹介すると、次のような話の流れです。
『年収500万円』の会社員が、金融機関の融資を受ける。
その資金で『投資用不動産』を購入し、入居希望者を募る。
少しだけ補足すると、
銀行が融資する現行カットラインは『年収500万円』で、
この数字に『1円』でも未達なら、お金を借りられません。
また、
『一部上場企業』であれば問題なく融資を受けられますが、
非上場企業の場合、企業規模等の信用審査が別に入ります。
さらに余談ですが、
現行、地銀の行員は上記水準を下回る人間も多くいるため、
審査する人間が、基準を満たさない皮肉な現実もあります。
上記事例の場合、
『年収500万円』の会社員に対する、銀行の融資上限は、
2022年現在、最高でも10倍の『5000万円』程度。
この数字であれば、
東京・都心の新築不動産は『1軒』保有するのがやっとで、
中古物件を選択することで『2軒』の保有がギリギリです。
話を戻すと、
自らの、虎の子の『融資枠』を活用して購入した不動産を、
『月額8万円』で貸し出せば『年間96万円』の安定収入。
確かに、
東京・大阪圏の都心部であれば、この数字は妥当ですから、
『年間96万円』の家賃収入が生まれても不思議じゃない。
ここまで、数字の単純計算としては間違ってませんよね??
ただ、
これがそのまま『真実』かと聞かれたら、疑問が残ります。
そうです。
すでに、読者の皆さんも、お気付きのことと想像しますが、
毎月の『ローン返済』という最重要項目が欠落しています。
一般的な物件の場合、
ローン返済を差し引いた、毎月の正味キャッシュフローは、
数千円程のプラスか、場合によってはマイナスとなります。
その他、
プラスαの支出に対する『備え』も必要となってくるため、
間違っても、年収が『96万円』増える訳ではありません。
あくまで、
『安定収入』の恩恵を享受できるのは、ローンの完済後で、
返済過程の『35年間』は、長い長い修行期間が続きます。
加えて、
家賃下落する事なく(若しくは、物価連動して上昇する)、
入居者の付きやすい物件を選別する『目利き』も必要です。
ここで、
間違って伝わって欲しくないことを断っておくと、私自身、
『国内不動産投資』を否定する訳では、決してありません。
何故なら、
現実に、その方法を選択することで『資産形成』に成功し、
『安定収入』を得ている人は、全国ゴマンと存在するから。
日本国内において、
インフレ・物価上昇に強い『円建て資産』を構築するには、
有効な一手であることは、否定のしようがないと考えます。
しかし、
購入物件同様、業者は慎重に選定して取引する必要があり、
このように『ミスリード』する企業は、限りなく、怪しい。
どんな方法を選択しても、資産形成は一朝一夕にいかない。
その『真理』を心得て、取り組まれることをお勧めします。
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