今日のテーマは、『今からスタートする外貨資産投資は、出遅れた無意味なものなのか』です。
昨日の公式ブログでは、
『米国による監視対象の再指定は、日本の〜』と題して、
為替市場でコントロール能力を失う現状を紹介しました。
実際、
4月末以降少なくとも3回実行された為替介入の効果は、
6月末までの僅か2ヶ月でキレイに掻き消されています。
目下、
対米ドルレートは再び160円を突破して推移しますが、
同じ繰り返しのため、介入の実施については不透明です。
2024年、
新型NISAのスタートも手伝って、投資熱は高まりますが、
最近、立て続けに同様の質問を受ける場面がありました。
それは、
『ドル円の為替レートが150〜160円を推移する今、
外貨資産投資を開始するのは遅すぎるのか』というもの。
米国における、
政策金利の利下げ転換も目前に控え、現状の為替水準が、
長くは続かないと予想する人も少なからずいるようです。
確かに、
外貨資産投資をスタートする時期としては、先見の明で、
10年以上前に実行している人たちが1番の勝ち組です。
例えば、
原資に対して10年で1.5倍リターンを約束する契約は、
直近の円安の恩恵を受けて円換算3倍のリターンに増加。
*10年以上前、1米ドル=80円台で推移した時代と、
同160円前後で推移する今では円の価値は倍違います。
もちろん、
今後10年で同レベルの円安が起これば同じことですが、
先日お伝えした通り、未来のことは誰にも分かりません。
ただ、
為替による超過リターンは度外視するとして、私見では、
今からでも、外貨資産投資をする意味はあると考えます。
理由は、大きく2つ。
①2030年までの約5年間、中期的な見通しとしては、
現在の為替水準が大きく変わらない可能性が高いから。
前述の通り、
米国の利下げも目前に迫りますが、早くとも9月以降で、
年内の下げ幅は、0.25%が限界という見方が優勢です。
また、
来年(2025年)以降も、利下げが継続されたとして、
今回は『3.75%』で浅めの底打ちをする可能性が高い。
そうなると、
円安の主因とされている日米金利差は大きく縮小されず、
140円を大きく割り込む時代の再来は考えられません。
この程度の変動であれば、やらない理由にはなり得ない。
②日本の財政状況は、今後も時間の経過とともに悪化し、
国家に依存するリスクは益々高まっていくことになる。
ご存知の通り、
日本の借金はGDP(国内総生産)の2倍を遥かに超えて、
金額としては『1300兆円』を射程圏に捉えています。
さらに、
借金総額は4半期毎に10兆円のペースで増加しており、
完済は愚か負のスパイラルを改善することすら困難です。
要は、
私たち国民サイドとしては、日本国の財政悪化リスクと、
個人の経済リスクを切り離す必要は常にあるということ。
もちろん、早くスタートするに越したことはありません。
ただし、気付いた時に実行すべきということも真理です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太