『資産形成スペシャリスト』、井上耕太です★
昔、『ゆれる』という邦画がありました。
地元の先輩、オダギリジョーさん主演の映画です。
邦画独特の、繊細な心理描写はとても好きです。
どこかの外国映画みたいに、
ただ爆発シーン繰り返す映画とは『格』が違う。
両者の間には、明確な『知性』の差を感じます。
冒頭から話が逸れました!
今、『揺れて』いるのは英国です。
先日、ジョンソン市長が公に、
『EU:欧州連合』離脱指示を発表しました。
現在の、『ロンドン』に対する国際評価は疑問の余地がありません。
かつての大英帝国は衰退しましたが、
世界有数の『金融センター』としての地位は確立。
外貨取引としては世界No.1の市場で、
ロンドンのインターバンク取引金利は、
世界の短期金利の指標にもされてます。
6500億US$:約73兆円にも達する経済規模は、
英国全体でも『4分の1』に達し、一経済圏として、
アルゼンチンやポーランドといった国家にも匹敵します。
また、欧州連合全体として見たときも、
大企業の実質的な本部の40%がロンドンに置かれ、
高い技能を持つ労働者人口はパリの実に2倍に上るそうです。
市長を筆頭に、『離脱』支持者の間では、
『離脱による状況が起こっても、この地位は揺るがない』
という目算があるようです。
しかし、実際には離脱前から『揺れて』る(笑)
確かに、今の欧州連合は、
『優等生』も『劣等生』も引っ括めた『るつぼ』です。
財政健全(とされてる)・先進国の、
『ドイツ』『イギリス』『フランス』と、
『PIIGS』に代表される破綻懸念国。
僕が通っていた地元の公立中学校では、
後々、慶応医学部・帝大に進学する人間から、
少年院に行ってしまう人間まで様々いましたが、
それと同じような状況です。
『これで良い』と考えるのも1つの選択やし、
一部の優秀な人達が、自分等だけ独立したいと考えるのも自然なことです。
だから、『離脱論』もわかる。
優秀な自分達が『独立』することで、
今まで以上に洗練される期待もあります。
しかし、『残留派』の意見もあります。
リスクの1つは、
これまでと同じ営業体制が維持されるかということ。
『HSBC』に代表される銀行業務で、
今までと同じような欧州一円のネットワークを維持できるかということです。
また、EU離脱に伴って、
5億人単一マーケットとしての魅力を無くしたロンドンに、
銀行以外の企業も魅力を感じるか、という懸念もあるようです。
永遠に繁栄するものは、
国家も、企業も、人も、あり得ない。
15世紀ベネチア、18世紀フィラデルフィア、19世紀ウィーンetc.
日本にも、『栄枯盛衰』という言葉があります。
現在の『EU離脱論』派を見て『残留論』派からは、
『ベネチアのバンカーもかつて同じ驕りがあった』との意見も出ています。
しかし、実際はやってみないとどうなるかわからない。
このまま残留するのも、
どこかリスクを後回しにしている感もあります。
今年の6月に国民投票があるようですが、
そこまでこの議論も揺れる、揺れる、揺れる。
日本人にとっては『遠くの国』の出来事ですが、
たまには注目して見ていきましょう(^_^)
ロンドンが動いたら、世界も動くよ★
僕らの生活にも、確実に影響はあります。