今日のテーマは、『歳入(収入)に対して1.7倍の運営コストが常態化してしまった国家の末路』です。
毎年言っている気もしますが、時が経つのは早いもので12月がスタートしています。
2025年も残すところ1ヶ月となりましたが、皆さん、年始に掲げた目標の達成度・進捗はいかがでしょうか。
このように質問しても、もしかしたら、大半の方々が目標設定すらしていないかも知れませんね。
私自身、20代半ばで経済的自由(ファイナンシャル・フリーダム)という言葉を知り、その達成を心の底から渇望して行動を起こし、40歳を目前に育児セミリタイアを実現することが出来ました。
それが実現できた理由について聞かれる場面も多いですが、間違いなく、これまでの人生を通して常に目的意識を持ち続けて、建設的なアクションを積み上げてきたことが鍵だったと感じています。
もちろん、自分以外の第三者からノルマとして課される訳ではありません。
この辺り、意識・無意識に関わらず、人生を受動的に生きている方々には分からないかも知れませんね。
常に自らと向き合い、目標を設定して、実現するためのプランを描き、進捗を確認して調整・修正を加えながら具体的な行動を積み上げていく、それを初志貫徹したからこそ今があると実感しています。
前置きが長くなったので本題に入ると、先月(11月)後半に社会保障のテーマが連続したことと同じく、この時期に決まって取り上げられる話題がありますよね。
それは、年度半ばで組み込まれる一般会計の補正予算で、先月末28日、今年度のそれも決定・公表されました。日本政府(高市政権)は近く国会に提出して、年内に成立することを目指します。
結論からお伝えすると、今年度の補正予算案の総額は18兆3034億円で、数年前までは例年10兆円前後で推移していたはずですが、2024年度の13.9兆円を超えて過去最大を記録しています。
また、税収の上振れ分(2.9兆円)税外収入(1兆円)前年余剰金(2.7兆円)等も充当されますが、全体の約6割に相当する11兆6960億円は新たな国債発行で賄われることが予定されています。
補正予算の内訳は国民生活の安全保障・物価高対策:8.9兆円、危機管理投資・成長投資:6.4兆円、防衛力・外交力強化:1.7兆円となっていますが、これに対する是非の議論は他に譲ります。
ただ、ここで私がしたいのは、税収(年間約80兆円)に対して国家の運営コストが1.7倍の約134兆円(一般会計予算:115.5兆円+補正予算:18.3兆円)まで膨れ上がってしまっていること。
さらに、今年も新たに約40兆円もの赤字国債を発行して、慢性的な赤字体質に陥っていることです。
一説によると、日本の国家債務総額は約1400兆円という天文学的なレベルに達しており、対GDP(国内総生産)250%、加えて、今尚3ヶ月ごとに10兆円規模のペースで増加しています。
もちろん、個人とは異なり、生物学的な寿命のない国家において無借金経営のみが正解とは言いませんが、適切な水準(対GDP比100%前後)でコントロールできているか否かは重要な判断ポイント。
G7はもちろん、G20まで比較対象を拡大しても日本は唯一の例外国となっており、国家債務の突出具合・増加速度は、セントラル・リーグを史上最速優勝した阪神タイガースに匹敵するものがあります。
常々お伝えしていますが、年月をかけて染み付いた借金体質は容易に改善することが出来ません。
自国通貨建の国債を発行できる国家であれば、借金による無限ファイナンスは実現ができるのか。
この問いに対してネガティブな回答しか持たない私としては日本の末路について憂慮しています。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太





