今日のテーマは、『2023年、情報ネットワークの進化が金融危機を増幅させる』です。
21世紀に入り、『情報の時代』と言われて久しいです。
一説によると、
20世紀の100年間で生み出された『情報』の総量が、
2023年、わずか2、3日で創出されているのだとか。
実際、
『私たちは膨大な情報に暴露されている』という言葉は、
現代人であれば、異論なく、誰もが同意すると考えます。
もちろん、
『情報』のテクノロジー・ネットワークの進化・発展は、
人類にとって多大なる『恩恵』を与えることも確かです。
マーク・ザッカーバーグ氏は、
世界中の誰もが、平等に『情報』にアクセス出来るよう、
理念の実現を目指してFacebookを創造したと言います。
其々の責任で、
取捨選択は必要なものの、膨大な情報を得られることで、
私たちの日常生活は、確実に便利なものとなっています。
しかし、
凡ゆる物事に共通して、メリット・デメリットは共存し、
情報という点でも『負の側面』は利点と同等量存在する。
例えば、
2020年から起こった『新型コロナ・ショック』では、
情報の拡散が、実体から乖離して増幅した典型事例です。
歴史を振り返れば、
スペイン風邪、コレラ、ペスト等に代表される感染症が、
『致死率・重篤性』の観点で深刻だったことは自明です。
しかし、
私たちが、自ら生み出した『情報』に支配・翻弄されて、
『歴史を変えた』という点では、新型コロナは別格です。
そして、
『情報』によって、実体と乖離して膨張していく点では、
それはそのまま、今回の『金融危機』にも当て嵌ります。
先日の公式ブログでは、
『SVB破綻劇は、潮流変化のトリガーか??』と題して、
米・中堅銀行(SVB)が破綻した出来事を紹介しました。
その中で、
資産規模から考えて米国経済に与える影響は軽微であり、
世界的な金融危機の火種になどなり得ないと述べました。
しかし、
一週間経過して、ネガティブな情報の拡散力は凄まじく、
金融業界全体で『取り付け騒ぎ』が拡大しつつあります。
*取り付け騒ぎ:金融機関から預金引出しが相次ぐこと。
先週末(3月16日)には、
バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン等の大手11行が、
ファーストリパブリック銀行へ無保険預金をすると公表。
前述の通り、資金を『無保険』で融資することに加えて、
日本円で4兆円にも上る金額も異例中の異例と言えます。
当然、
全ての企業・金融機関で不安要素は存在するはずですが、
『情報』の激流に飲まれて同行は経営危機に陥りました。
また、
同日(3月16日)FRBより公表されたデータによると、
民間銀行による資金借入額が『1528億ドル』となり、
日本円換算『20兆円』規模に急増していると言います。
これは、
2008年の金融危機(1107億ドル)を遥かに凌ぎ、
当時と比較して『1.5倍』に膨れ上がっている水準です。
さらに、
SVB破綻から、市場全体の『信用不安』が増大しており、
銀行株時価総額が『60兆円』規模消失したとの報道も。
恐らく、
UBSによる、クレディスイス買収で一旦落ち着きますが、
直近一週間は、明らかに市場が『過剰レスポンス』です。
ここまで述べてきた通り、
情報テクノロジー・ネットワークの発達は良くも悪くも、
出来事を、そのポテンシャル(実体)から乖離させます。
2023年以降、
私たちが生きる、現代社会で起こり得る『金融危機』は、
『情報』により創り出され、膨張しながら拡散していく。
私たちが晒される『リスク』も、大きなものになります。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太