今日のテーマは、『トランプ新政権の誕生は、長期的な視点で米国の凋落を意味するか』です。
新年早々、資産運用の重要性について連日述べています。
改めて言うまでもなく、
私たちは、保有資産を『現金』のみで持つべきではなく、
適切なリスクを受け入れ運用していかなければならない。
2025年現在、
一部例外を除いて、世界に200ある国・地域の大半は、
『資本主義』という経済システムを採用していますよね。
そして、
その前提条件の一つにインフレ(貨幣価値下落)があり、
過去のデータから年平均3%の下落率と判明しています。
仮に、
預金金利が基準値(年率3%)を超えるなら良いですが、
今の日本ではゼロ金利が解除されたとはいえ1%に未達。
また、
天文学的規模の累積債務を抱えている為、これから先も、
社会全体の金利が大きく上昇することは考えられません。
つまり、
特に『日本』においては、現預金はまったく増えない為、
選択した時点で『完全なる負けゲーム』ということです。
繰り返すと、私たちは運用・投資からは逃れられません。
そして、
現在の世界のパワーバランスを考慮した時、間違っても、
『米国』の存在を無視することが出来ないのも事実です。
しかし、
それも、未来永劫に通用するルールなのかと問われれば、
確信を持ってYES!とは言えず、大いに疑問を感じます。
もしかしたら、
対外的に強行姿勢のドナルド・トランプ新政権の誕生は、
長期視点では凋落をスタートさせる可能性があるのです。
恐らく、
今回も、新大統領の基本路線は前回の任期中と変わらず、
米国ファースト(米国第一主義・思想)を貫きますよね。
現に、
今月20日の就任後は、各国の関税強化を明言しており、
短期視点で、国内経済を潤すことに重点を置くのは明白。
米国民に限らず、
基本的に人間は愚かで、近い未来しか見通せませんから、
単純明快さを求めるアメリカ国民に熱烈に支持されます。
しかし、
物理的にせよ、法的なものにせよ、歴史を振り返った時、
鎖国政策が上手く機能した試しはなく、長期的視点では、
国力(今回は米国)を衰退させることが証明されている。
直近では、
日本製鐵による米・鉄鋼大手USスチールの買収計画を、
バイデン・現大統領が中止要請したことが話題ですよね。
重要なのは、
既に、この買収については両者が合意するにも関わらず、
本来は部外者の米国大統領が直々に命じていることです。
そして、
新大統領も『全面的に反対』という姿勢を明示しており、
事実上この買収計画は米国により阻止されてしまいます。
その他にも、
脱炭素を目指す国際的枠組みから米企業が相次ぎ撤退し、
気候変動対応に後ろ向きな新大統領を支持していますね。
さらに、
メタ(Facebook)はファクトチェックの廃止を公表し、
新大統領に忖度して、関係性の改善を図ろうと躍起です。
完全に、世界全体の潮流に逆行して迷走していますよね。
栄枯盛衰、米国がその覇権を譲るときは必ずやって来る。
そのことも念頭において資産形成に望むことが必要です。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太