今日のテーマは、『迫り来る社会保障問題を解決するため、微笑みの国が繰り出す奇策』です。
以前から、
日本の社会保障(年金・健保)が厳しい状況にある事は、
公式ブログを通じて、何度も繰り返し訴求してきました。
実際、
総人口に占める高齢者(65歳以上)割合は3割に達し、
年金・医療費の受給サイド人口は爆発的に増大していく。
対して、
異次元のスピードに拍車をかけて少子化は進展しており、
当初の予測を5年間前倒しした2030年を待たずして、
年間出生数は50万人を割り込むことが確実視されます。
シンプルに、受給者が爆増して担い手が劇的に減少する。
果たして、
楽観論を展開する人たちは、これらの数字を直視して尚、
どのように自らの主張を正当化できると言うのでしょう。
個人的には、
日本の社会保障は、想像するより近い将来に破綻するか、
少なくとも現行ルールでは機能不全に陥ると見ています。
しかし、それは日本のみ限定される課題ではありません。
もちろん、
日本が世界のトップ・ランナーにあることは事実ですが、
経済発展し、生活も豊になり、成熟期に突入した国家が、
いずれは直面することになる共通課題だと感じています。
そして、
それ(社会保障制度)が窮地に陥ることに対して、未だ、
誰も、建設的な解決法を導き出せていないのが現実です。
そんな中、
微笑みの国・タイでは、驚くべき施策が検討されており、
具体的な導入に向けて、話が進められていると言います。
ズバリ、それは『年金機能が付帯された宝くじ』のこと。
少し数字を整理すると、
タイは昨年(2023年)末に初めて、総人口に占める、
高齢者人口が20%に達して直近10年間で2倍に増加。
加えて、
他のアジア諸国と比較しても経済成長率が鈍化しており、
必然的に中長期的な財政の見通しも厳しくなっています。
*ベトナム(6.1%)、フィリピン(5.8%)等に対して、
2024年のタイの経済成長率は2.8%に留まります。
また、
対GDP比として9割に迫る家計債務残高も深刻な問題で、
当然、国民が自助努力で年金構築など出来ずはずがない。
そこで、
タイ政府は、歴史上類を見ない奇想天外な策を持ち出し、
宝くじを利用して年金保険料を徴収しようとしています。
具体的に、
それは1枚50バーツ(約225円)ほどで売り出され、
月60枚・3000バーツまでの購入制限が設定される。
仮に、
当選すれば『100万バーツ』の当選金を手に出来るが、
外れても、購入資金は60歳以上で出金可能というもの。
もしも、
満額(3000バーツ・約1.35万円)を40年掛けて、
購入し続けたとしたら、支払い総額はおよそ650万円。
参照点として、
バンコクの平均年収が200万円である事を考慮すると、
日本人の感覚として1300万円ほどになるでしょうか。
もちろん、
この金額では悠々自適な老後ライフの夢は叶いませんが、
生活を維持するための必要最低限の資産には成り得ます。
現時点、
金利はゼロか、付けられたとしても微々たるものですが、
恐らく購入者からのクレームはほとんど出ないでしょう。
当然、
購入しなければ、該当の年金プランには加入しませんが、
宝くじ好きの国民性から大半の加入が見込まれています。
人間に本来備わる、射幸心を上手く利用した制度ですね。
確かに、
この制度を、そのまま日本に導入しようと検討したなら、
『賛否両論』が吹き荒れることは想像するのに容易です。
しかし、本当の解決法はこれ位しかないのかも知れない。
私たち人間は、デフォルトとして愚かな存在だからです。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太