今日のテーマは、『FRCというトリガー(引き金)は、GW前に弾かれるかも知れない』です。
昨日の公式ブログでは、
『落ち着きを見せる株式市場で、火種は燻る』と題して、
クレディ・スイス発の潜在的なリスクをご紹介しました。
かつて、
金融業界で『潰れない企業』の代表格だった同行ですが、
UBSによる買収交渉締結後も、預金流出が止まりません。
3月末時点、
日本円換算で『約10兆円』に達したその巨大な数字は、
2023年内『16兆円』規模に膨張する資産すらある。
そして、
世界的コングロマリットの窮地は、私的問題に留まらず、
世界経済に波及、影響を与える可能性すら持っています。
既に、米国ではその影響が現れているのかも知れません。
今年3月、
シリコンバレーバンクと連鎖倒産したFRC(*)ですが、
株式は、25日の米国市場で大きく売り込まれています。
*FRC:ファースト・リパブリック・バンクの略称です。
その理由は、
前日24日公表された、2023年:第1四半期決算で、
市場予測を上回る、全体4割の預金流出が判明したこと。
具体的な金額は『719億米ドル(約9.6兆円)』です。
この辺り、
明るい方はご存知ですが、JPモルガン始め大手11行は、
同時期、FRCに対する『救済預金』を実行していますね。
公表された情報で、その総額は『300億米ドル』です。
そこまで考慮すると、
FRCが、第1四半期(1月ー3月)に失った預金総額は、
1000億米ドル、日本円換算『13兆円』に上ります。
この報道を受けて、
同行の株価は、前日終値と比較して『49%安』と半減、
経営不安が再燃したと、市場が分かり易く示しています。
因みに、
『前日の半値』と表現した株価も、2022年末比では、
既に『93%安』の状況にあり、限りなく紙くずに近い。
この流れに対抗すべく、
手元資金を確保するため、償還までの期間が長い債券や、
融資債券等の売却検討に入っていることが報じられます。
その額は、
最大『1000億ドル』規模と見られており、前述した、
前期分の預金流出額をそのまま補填することが目的です。
ただし、
世界的に『金利』が高水準を維持する今、債券は低迷し、
額面通りではなく、買い叩かれる可能性も高いのですが。
さらに、
SVB、FRCから波及して、財政状況が健全とされてきた、
ノーザン・トラスト、パックウエスト等の株価も下落中。
以前もお伝えした通り、
其々の規模は小さく(?)とも、それが伝播することで、
『バタフライ・エフェクト』へと肥大化すると厄介です。
トリガー(引き金)は、早々に弾かれるのかも知れない。
4月も残り数日ですが、少し緊張感のある日が続きます。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太