今日のテーマは、『日銀による【買い支え】がストップした時、日本市場は活況を維持できるのか』です。
もう1週間前のことですが、日銀は2024年初となる、
金融政策決定会合を開催し静かにスタートを切りました。
世間の注目を集めるニュース(ゴシップ?)も他に多く、
それ自体殆どメディアでも報じられずに終わっています。
しかし、
その中でも世間的な注目度とは相関関係なく、将来的に、
経済に大きな影響を与える決定は少なからずありました。
1つは、
2016年1月の会合で導入されて、8年間が経過した、
マイナス金利の解除時期について検討が進められたこと。
これまで、
『継続すること』を前提条件に政策検討してきましたが、
初めて、植田和男日銀総裁も解除時期に言及しています。
併せて、
2010年の導入から、こちらも10年以上が経過した、
ETF購入政策についても検討段階に入ったと推測します。
因みに、
欧米諸国では、中央銀行が株式を買い支える事例はなく、
日銀による『ETF購入政策』は、完全に日本独自の制度。
その理由は、
莫大な資金力を誇る中央銀行が株価の形成に関与すると、
長期的視点で、良くない結果を招くという真っ当なもの。
この辺り、
民間企業で考えればよく分かり、節度を超えた自社株で、
株価を釣り上げても本質的な価値向上には繋がりません。
もちろん、
ルールの範囲内であれば、決して違法と言えないにせよ、
マスキング効果により実体が掴めなくなるのも事実です。
以前から、
日銀による過度な金利コントロール政策を継続した結果、
債券市場の調整機能が働いてないことは指摘しています。
株式市場の場合、
債券(特に日本国債)金利市場のそれ程ではないですが、
少なからず『底上げ』されてきた部分は存在しています。
恐らく、
日銀がETFを購入する、金額・速度調整はされるものの、
市場に『介入』する仕組み自体は残されると予想します。
何故なら、
勝手なもので、経済的な有事の場面で世論は一変する為、
その局面においては『買支え』が必要かも知れないから。
もし仮に、
システム自体を廃止、若しくは完全停止してしまっては、
突発的なリスクに対して、機動的な対応など出来ません。
それでも、
仕組み自体を形骸化(休止状態)するのは意外に簡単で、
前日終値を基準とする購入ルールを厳格化するだけです。
実際に、
日銀によるETF購入基準を前日比▲2.5%に設定すると、
昨年(2023年)に購入できたETFはゼロになります。
果たして、
日本銀行(中央銀行)による買い支えがなくなったとき、
日本の株式市場は、現在の活況の勢いを維持できるのか。
思いがけず、その真価が問われる時がスタートしました。
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