今日のテーマは、『日銀・黒田政権下の10年間は、プラス評価を得られるか??』です。
自然科学の世界では、『時間』という対象を討議する際、
『未来』から『過去』に流れるという考え方があります。
私たちが、普段から持っている感覚は『真逆』ですよね。
一般的に、
私たちは『現在』に立ち、過ぎ去った『過去』は後方に、
『未来』はまだ見ぬ前方に位置していると考えられがち。
しかし、
『未来』は時間軸の上流に位置して、流れて来るものを、
『現在』が拾うという考え方も、一考の価値があります。
この時、
興味深いのは、どのような『未来』を実現するかにより、
『現在』の評価はまったく異なるものになるということ。
私たちは、
『因果応報』の概念を通じて、『過去』の出来事により、
『未来』が決まると考えるので、正反対の解釈ですよね。
例えば、
短期的視点で『ネガティブ』なイベントが起こったとき、
その出来事自体の評価は、その時点で出来るでしょうか。
仮に、
それを発奮材料として捉えて、奮起して成功を収めれば、
その出来事に対する評価は『ポジティブ』なものになる。
反対に、
そのイベントを起点として、堕落した人生が開始すれば、
『諸悪の根源』として、先ほどと真逆の解釈を与えます。
つまり、
『現在』に対する評価は、皮肉にも、現在では決まらず、
獲得した『未来』により、後付で決定されているのです。
本題に入ると、
いよいよ明後日、10年間続いた黒田政権が終わります。
前・白川政権下、
先進諸国から孤立した金融引締め策で低迷した日本株は、
異次元緩和発動により、文字通り『爆上がり』しました。
残念ながら、
バブル期の最高値はキャッチアップ出来なかったものの、
確実に、それまでの20年間から『空気』を変えました。
しかし、
それに『副作用』が伴うことは、方々から指摘されます。
例えば、
黒田総裁が任期を務めた期間、日銀が市場から購入した、
国債・株式等の資産は『約1550兆円』にも上ります。
また、
日銀が積極的に介入して、金利をコントロールした結果、
日本の債権市場は、現在も調整機能が失われたままです。
さらに、
異次元緩和により、資金供給量は5倍に拡大したものの、
『実』を伴う、安定的な物価上昇目標は最後まで未達に。
いずれ、
日銀保有の『巨額資産』を解消する時が来るのは自明で、
市場に波風立てずに実行することは、文字通り至難の技。
未解決の宿題を山積したまま、次期政権に引き継がれる。
黒田政権の評価は、植田政権が導く結果で決定されます。
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