今日のテーマは、『アクティブ戦略の採用により、果たして人生に平穏は訪れるのか』です。
昨日の公式ブログでは、
『自然界と等しく金融界も生態系が存在する』と題して、
投資の世界には対極の存在があることをご紹介しました。
少しだけ振り返ると、
一方は、市場に生み出されるわずかな歪みを出し抜いて、
短期(場合によっては一瞬)で大きな利益を上げる方法。
もう一方は、
資本主義が前提とする、世界全体の経済成長を享受して、
長期間かけて緩やかに資産を増加させていくという方法。
一般的に、
前者はアクティブ、後者はパッシブの言葉で表現されて、
2大流派として半世紀以上も前から共存し続けています。
どちらが正しく、どちらが間違っている等はありません。
それぞれの立場で、自らの正義を実践しているだけです。
それを踏まえたうえで、私自身は後者を選択しています。
理由は大きく2つです。
一つ目は、様々なギャンブルに興じている方々と異なり、
私自身は、一発逆転を狙う必要がないと感じているから。
実際、
自らの生活スタイルと資産規模のバランスを考慮すると、
リスクを排除して、運用成績は年率10%程で十分です。
世の中に宝くじ当選の必要のない人は確実に存在します。
二つ目は、
戦略として前者(アクティブ投資家)を選択する場合に、
自らのQOL(生活の質)が損なわれる可能性が高いから。
ブルームバーグにも興味深い記事が掲載されていました。
それは、
『トレーダーは大谷を見ることが出来ない』との表題で、
メジャー頂上決戦が観戦できないことを嘆いているもの。
何でも、
大谷翔平の勇姿は国民12%が見守っているそうですが、
アクティブ投資家は、完全に蚊帳の外にあると言います。
基本的に、
彼ら(彼女ら)の職場は情報漏洩のリスク排除の目的や、
コンプライアンスの観点から情報端末の持ち込みは禁止。
仮に、持ち込みが許可されても見ている暇はありません。
何故なら、
短期(プロの場合一瞬)で利益が得られるということは、
裏を返せば、全ての勝負が一瞬でついてしまうという事。
現実的には、
メジャーリーグのテレビ中継を観戦することなどおろか、
トイレ休憩のため数分間席を外すこともままなりません。
にも関わらず、
涙ぐましい努力の甲斐なく、長期的な運用成績としては、
高確率でパッシブに負けることを歴史が証明しています。
確かに、
携わる人の知性は極めて高いものの、スターになるのは、
宝くじで高額当選を連発するより厳しいかも知れません。
アクティブ戦略では人生に『平穏』が訪れることはない。
私自身はリスク・ベネフィットが不均衡と感じています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太