今日のテーマは、『大型連休中に放たれた2発の銃弾は、海外投機筋に傷を負わせられたか』です。
先月末の公式ブログでは、
『日本にとって負けられない戦いが続いている』と題し、
大型連休中に為替介入が入る可能性を示唆していました。
奇しくも(?)、
予想は的中し、政府・日銀は公式に明言していませんが、
先週中、観測できるもので2回の覆面介入がありました。
先ず、
最初の弾丸が放たれたのは、3連休最終日の4月29日、
2発目も5月2日早朝に間髪入れず撃ち込まれています。
為替相場は、
1米ドル=152円台を付けるまでに買い戻されており、
刹那的ながら約1ヶ月ぶりの円高水準が訪れていました。
果たして今回の介入は成功したと評価されるでしょうか。
基本的な情報から整理すると、今回に限らず為替介入は、
一時的な対症療法であり、本質的な解決に繋がりません。
それは、
日本国が発行する日本国債を中央銀行・日銀が買い支え、
市場機能を失わせて金利コントロールすることに等しく、
また、
株式の発行母体である企業が、自社株の買い増しにより、
株価を維持、または上昇させようとする行動と同等です。
いずれも本質的な解決に至らないことは理解できますね。
それでは、今回の覆面介入はまったく無意味だったのか。
1つだけ、
為替介入に利点があるとしたら、敵対する海外投機筋が、
円安の進展を見越して組むポジションを解消させること。
もし仮に、
介入により彼らに打撃・損失を負わせることが出来れば、
セットされる円安圧力も幾分弱まることが予測できます。
果たして、政府・日銀は痛手を負わせられたでしょうか。
一時、
対米ドル『160円』の大台を突破していた為替市場は、
前述の通り、介入直後で『152円台』まで急進します。
これは、
直近の底から5%程度の上昇があったことになりますが、
結論相手に致命傷を与える効果はなかったと推察します。
実際、
週明けからは、ジリジリと円安圧力が優勢になっており、
5月7日時点、対米ドルは154円台後半を付けて推移。
介入原資は、
多く見積もって残20ー30兆円と推測されていますが、
ゼロには出来ない為、実質的に使えるものは10兆円程。
もしも、
次回も今回のように小出し(8兆円2分割)することで、
空砲に終わるなら、これからの日本の戦いは丸腰になる。
為替市場における戦いは、いよいよ追い込まれています。
——————————————————————–
昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
——————————————————————–
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太