今日のテーマは、『好調な米国市場の水面化に潜む、米国民のクレジットリスクの悪化』です。
7月に入り、
腰軽マネーの影響により、変動激しい日本市場と異なり、
年初来高値の水準で米国市場は好調をキープしています。
直近では、
いよいよ『利上げ』が終了する兆しが見えて来たことで、
新たな上昇局面に入ることも、折り込まれはじめました。
1年前と比べて投資環境は好転しているように見えます。
果たして、このまま突き抜けることは出来るでしょうか。
今回に限らず、
どれほど好調に見える時も不安要素は必ず存在していて、
すべてにおいて、視界良好という状況など有り得ません。
必然、
2023年7月現在も『リスク因子』は存在し、私自身、
米国民の『クレジットリスク』の高まりがそれと見ます。
元々、
ニューヨーク連銀は、融資やクレジットカードといった、
国民の『与信』の審査状況を4ヶ月毎に調査しています。
先日、
7月17日には6月度の最新データが公表されましたが、
与信審査に落ちた割合は前回調査から『約4.5%』悪化。
実に、
5人に1人強、全体に占める『21.8%』もの人たちが、
ローンの新規借入契約や、借り換え審査に落ちています。
これについて、
年齢別の傾向は見られず、40歳以下、40代ー50代、
60歳以上の全ての年齢層で与信審査に落ちる率は増加。
更には、
クレジットカードの新規契約や、限度額の引上げ申請等、
ローンに準ずる審査も断られるケースが増加しています。
もちろん、
今年3月以降、米国内の中堅銀行が連続破綻したことで、
金融機関が与信に慎重になっていることもその一因です。
情報開示しませんが、基準を引き上げていることは確実。
しかし、
本質的理由として、米国民のクレジットスコアが低下し、
新たなローン審査が却下されているというのが事実です。
この状況が続けば、
米国全体として『消費意欲』が減退することはもちろん、
リスクが顕在化した時、市場が急降下する可能性もある。
クレジットバブルが肥大化して弾けるよりはマシですが。
物ごとが良好に進んでいると感じる時ほど、注意を払い、
潜在的な『リスク』を見抜く能力・眼力が求められます。
『備えよ常に』の言葉は常に念頭に置くことが必要です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太