『原油価格』と『景気サイクル』の蜜月な関係性。

今日のテーマは、『原油価格と景気サイクルの蜜月な関係性』です。

 

 

昨日の公式ブログでは、

『少しずつ市場から聞こえ始めた警鐘』という話をしました。

 

 

日本、米国、欧州、アジアをはじめとした『株式市場』で、

ここ最近の日本同様の『穏やかな陽気』が続いているが、

調整局面をも変える『警鐘』は、少しずつ出てきている、と。

 

 

1つは米国債券市場における、

サブプライム向け住宅ローンの貸し出し率の増加であったり。

 

 

また、

 

 

1つは、途上国市場における、

米ドル依存リスクであったり、対外債務増加であったり、商品市場ブーム終焉であったり。

 

 

そして、

 

 

もう1つは日米株式市場の同時上昇に加えて、

『原油価格』までもが並行して上昇する『蜜月』現象をご紹介しました。

 

 

昨日の公式ブログでも書かせて頂きましたが、

 

 

本来であれば『逆相関』を示す2つのパラメータ(媒介変数)が、

経済上の物理法則に反し、『正相関』するのは異常な事態です。

 

 

独立して変動する数値同士が、一瞬だけその状態になるなら問題ないですが、

これが『恒常化』して、一定期間続くとなると、『警鐘』と捉えるのが普通です。

 

 

小学校時代を、少し思い出してみてください。

 

 

誰かがイタズラで鳴らした『火災警報』は直ぐに消されてしまいますが、

鳴りっぱなしだと、誰しも異常を感知して、避難するようになるでしょう??

 

 

大人になってからも、『市場』においても、それは同様です。

 

 

しかし、

 

 

1点相違点があるとしたら、大人になってから、社会に出てからの『警鐘』は、

『気付く人もいるが、多くの人は鳴っている事に気付かない』という事です。

 

 

また、

 

 

『気付かない』だけならまだ問題ないかも知れませんが、

ある一定数の人は、『パーティーの合図』と勘違いして狂喜乱舞してしまいます。

 

 

その結果、

 

 

実際に『イベント』が起こった際、

初めて、自分が全てを失い、裸で踊り続けていることに気付くのです。

 

 

大人になってからの『警鐘』は、

『アンテナ』を常に張っている方々にしか、聞こえないようになっているのです。

 

 

昨日の公式ブログでは『1つの指標』として取り上げましたが、

今日は、『原油価格』について少しだけ掘り下げて考えてみましょう。

 

 

まず、お伺いしてみたいことがあります。

 

 

皆さん、『原油価格』を日々ウォッチ(注視)していますか??

 

 

日常的に『自動車』を使う仕事をしている方々などは、

『ガソリン価格』を日々目にしているので、自然と意識されているかも知れません。

 

 

それでも、

 

 

『ガソリン価格』は、『税金』『事業コスト』等占める割合が大きい為、

それがそのまま『原油価格』と連動しているとも言い切れません。

 

 

世界市場で取引される『原油価格』は日々刻々と変化していますが、

そのほかのコスト比率が高い『ガソリン価格』には、完璧には反映されないのです。

 

 

では、それで良いかというと、そうではない。

 

 

私たちの生活に中には、意識している・していないに関わらず、

『原油』が関わる場面は、想像以上に多く存在しているからです。

 

 

輸送コスト、(冷暖房等の)燃料コスト、原材料費、通貨価値 etc.

 

 

『原油価格』が変動することで影響を受ける業界は多々あるので、

私たちの生活にも、至る所で『物価』として直結した影響が出てきます。

 

 

市場で売買される『物』という物に、直接・間接的に『原油』は関与していますから、

『物価』の上昇・下落は、『原油価格』が握っていると言っても過言ではありません。

 

 

どうでしょうか??

 

 

『原油価格』、少しきになる存在になってきましたか??(笑)

 

 

昨日も記載しましたが、現在、その価格はじわじわ回復傾向にあり、

主な取引単位である『1バレル』あたり『71ドル超(NY)』の値をつけています。

 

 

約1年前は『50ドル』を切る値で推移していましたから、

この『1年間』という短期間で、『約50%』ほど値上がりした計算になります。

 

 

商品市場ではよくある変動率と言えばそれまでですが、

実際の社会で、1年間に『50%』も値上がりするものも珍しいですよね。

 

 

『原油価格』の上昇には様々な要因があるでしょうが、

先ほど述べたように、様々な業界に直接影響を与える為、

『原油価格』が上がると、一般的に『株式市場』は下落します。

 

 

『下落』と言っても、『◉◉ショック』のように大きく変動することもあれば、

特別な境界線を持たず、じわり、じわりと減少傾向が続いていくこともある。

 

 

ただ、

 

 

やはり『急激な上昇』の後には『急落』する傾向が強くなり、

その顕著な事例は、直近の金融危機前後(最中?)の2007年から08年にかけてです。

 

 

この時は、

 

 

2007年6月時点で『1バレル:70ドル』そこそこだった価格が、

ちょうど1年後の08年6月には、倍額の『140ドル』まで上昇しました。

 

 

今回の上昇率はこの時ほどではないですが、このまま放っておけば、

今後の動き次第で、この『上昇率』を射程圏に収めるかも知れません。

 

 

『原油価格』の上昇が鳴らす警鐘については、

『株式市場』に直接的に現れることもありますが、それ以外の場面で観測されるケースもあります。

 

 

その1つが、『債券の金利』です。

 

 

『投資』に明るい方々はご存知だと思いますが、

『株式市場』と『債券の金利』も、お互いに綱引きのような関係性にありますよね。

 

 

一般的な話として、

 

 

政策金利の上昇は、事業コストに影響を与える『引き締め政策』となり、

景気の実体にそぐわない『金利上昇』は、『株式市場』の下落に繋がります。

 

 

『長期金利』の1つの指標は、

 

 

その国・街頭地域で発行される『10年もの債券』の利回りですが、

現在、米国におけるそれは『3.10%』付近まで上昇しています。

 

 

さらに、

 

 

金融政策の影響を反映する短期金利指標『米財務省証券(TB)3カ月物』は、

その利回りが『1.91%』と、約10年ぶりの高水準で推移しています。

 

 

これは、

 

 

『S&P500種株価指数』の配当利回りとほぼ同等で、

『株式』と『債券』の関係性から考えると、こちらも異常事態です。

 

 

*余談ですが、この現象が起こるのは2008年以来のことです。

 

 

『警鐘』は、確実に鳴っています。

 

 

その『サイン』に気付くことが出来るかどうかは、

皆さんが『アンテナ」を張り続けて、継続教育していけるかどうかにかかっています。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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