『年金支給額』の『見えない目減り』に気付いていますか??

今日のテーマは、『年金支給額の見えない目減りに気付いていますか??』です。

 

 

昨日の公式ブログでは、

 

 

『人口減少が進展する日本に、迫り来る消費税20%時代』と題して、

先日、日本国が受けた、IMF(国際通貨基金)からの異例の提言をご紹介しました。

 

 

昨日の記事中にも書きましたが、

 

 

『IMF(国際通貨基金)からの提言』となっていますが、

事実上、財務省出向職員による『日本国民への事前アナウンス』という方が正しいです。

 

 

先日の記事中では、

 

 

大原則として、

 

 

『総人口』が減少し、『(超)少子高齢化』が進展する国家としては、

経済・財務状況を『プラス』に保っておく事が、難しいとご紹介しました。

 

 

単純に、

 

 

『人(特に、生産年齢人口)』が減少したら、『経済』は停滞するという事です。

 

 

それが、今、既に『日本国』で起こっている『現実』です。

 

 

日本財政の悪化を食い止める(健全化する)方法としては、

『歳入』を増加させる方法と、『歳出』を減少させる方法、

そのどちらかか、両方同時並行で進めていく方法が有ります。

 

 

経済状況の改善手法は、規模の違いこそあれ、『国家』も『個人』も同じですね。

 

 

そして、

 

 

昨日ご紹介したのが、『前者』の具体的解決策の1つであり、

『消費税』を、段階的に引き上げて『20%』まで上昇させる『IMF提言』です。

 

 

先日、『増税』を経験した日本国民としては、少し耳の痛い話ですね。

 

 

確かに、

 

 

欧州等で導入される『VAT(付加価値税)』が同程度の国家も多いですが、

『他領域の税制』や『対:社会保障リターン』まで総合して考えなければ、

日本国の消費税が『20%』で良いという話にはなりません。

 

 

しかし、

 

 

そもそもの問題として、『善し・悪し』という話に関係なく、

日本の『国家財政』が、有史以来、『最悪の危機』に瀕しているという事なのかも知れません。

 

 

果たして、

 

 

『ツケ』という表現を用いるのが正しいかは分かりませんが、

それを支払う必要があるのは、紛れもなく、現代を生きる『日本国民(居住者)』です。

 

 

『特定の誰か』ではありません。

 

 

該当する全国民で、『痛み』を平等に分かち合っていく事になります。

 

 

前半でご紹介したのは、『歳入を増加させる方法』ですが、

当然、日本国政府は『歳出削減』の方法も模索しています。

 

 

先日の時事通信社の報道によれば、

 

 

2019年度に引き続き、2020年度も2年連続で、

公的年金支給額抑制の『マクロ経済スライド』が発動する公算が高まったとの事です。

 

 

以前もご紹介した記憶がありますが、

 

 

『マクロ経済スライド』というのは、公的年金の持続可能性を高める為、

現行の支給額を、『物価・賃金上昇』と同レベルで増加するのを抑制し、

現役世代減少等の要因を踏まえた『調整率』を差引き、支給額が決まる制度のこと。

 

 

分かりやすく説明しようと心掛けても、

まどろっこしい表現になりますね(笑)

 

 

要は、『数字上』は増加していても、『貨幣価値』としての実質的な『目減り』です。

 

 

現行制度では、

 

 

日本経済が『低成長』或いは『マイナス成長』に陥った場合でも、

『調整率』差し引き後は『マイナス』にならず、

年金支給額は、前年比で『マイナス』にならないという方式です。

 

 

しかし、

 

 

現時点でさえ、今後30年間での『年金支給額30%カット』が公表されている状況では、

この『マクロ経済スライド:特例ルール』も、いつまで運用されるのかは大いに疑問です。

 

 

約2ヶ月前、

 

 

『年金財政検証』なる統計・予測値が公表されましたが、

これから『日本経済』が中長期的に停滞に陥ったとして、

最悪の場合、2050年には、公的年金は『完全賦課方式』になります。

 

 

この意味が、皆さん、理解できるでしょうか??

 

 

『完全賦課方式』というのは、要は、『自転車操業』の事です。

 

 

仮に、

 

 

そのような事態に陥ったとして、『年金保険料』を預けるほど、

日本国民が『従順さ』を保っているかは、私にも分かりません。

 

 

政治家の先生方は、

 

 

将来的な『国家財政健全化』を(ポーズとしては)目指しながらも、

『選挙にも勝たないといけない』というジレンマを抱えており、難解な『家業』です。

 

 

ただ、

 

 

現実問題としては、その場凌ぎの『対症療法』的な手段になりますから、

日本政府が出してくる対応策は、時に、『迷走状態』を感じさせるものがあります。

 

 

その際たる例が、

 

 

先日、公表された後、与野党入り乱れて『異議』が飛び交った、

在職老齢年金における、『減額基準改定』に関する報道ですよね。

 

 

これまで、

 

 

65歳以上対象の場合、年金支給の減額基準は『月収47万円超』でしたが、

これを、なぜか、突如『月収62万円超』に引き上げると言い出したのです。

 

 

政府の言い分としては、

 

 

『減額基準月収』を引き上げる事により、65歳以上の就労意欲を保ち、

公的年金制度の『受給者サイド』から、『支えるサイド』に転換して欲しかったとの事。

 

 

確かに、『理屈』は分からないでもないですが(笑)、

現実社会では、北風と太陽の話の『太陽作戦』は、あまり効果を生みません。

 

 

本質的に、人間は『快楽を求める』欲求以上に、

『痛みを避ける』欲求の方が、『行動』には直結するからです。

 

 

上記改正案をそのまま通してしまったら、

 

 

該当者の『就労意欲』をアップさせようという意思に反して、

『月収47万円から62万円以下』の方々の年金受給額を増加させ、

国家全体として『社会保障費』をアップさせてしまう事になります。

 

 

とても皮肉な結果ですね。

 

 

結局、『減額基準引上げ論』は流れて『現状維持』に落ち着きましたが、

このような『迷走議案』が出てくる事自体、日本の窮地ぶりが伺えます。

 

 

常々お伝えしている事ですが、

 

 

これからの時代に、『日本国』で生きる私たちにとって、

『資産形成(投資)』をしないという事は、そのまま『人生放棄』を意味します。

 

 

こちらも常々取り上げている通り、

 

 

現存する『公的年金制度』を算段に入れたまま、

老後の『ライフ・プランニング』をすることも『狂気』と言えます。

 

 

あなたは、『公的年金』を当てにしない準備を進められていますか??

 

 

『具体的アクション』の伴わない目標は、限りなく『幻想』と同等と考えます。

 

 

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人生は、本当に好転していくものだと思います。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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