今日のテーマは、『コロナ禍でも鳴り続ける、年金システム破綻の警鐘』です。
昨日の公式ブログでは、
『2025年までに、経済的有事は必ずやって来る』と題して、
日本国が抱え続けるであろう『財政リスク』をご紹介しました。
記事の中でも書きましたが、
『新型ウイルス』の問題が立ち上がるずっと以前から、
日本国は、極度の『財政難』に陥り、『延命処置』を繰り返して来ました。
少し前、
『資産形成(投資)』において無視できないポイントに、
『税金』というものの存在があることをご紹介しました。
世界的ベストセラー作家である、
ロバート・キヨサキ氏は、次のように話しています。
『合法的に税金を繰り延べるスキームを見つけることが、大切。』
これと同じではないですが、
日本政府は、『借金体質』が染み付いてしまった状況を放置し続け、
『ババ(ジョーカー)』を引くことを、延々と繰り延べてきました。
ロバート・キヨサキ氏は、
『税金は、法人化すれば永久にくり述べられる』と話していますが、
残念ながら、国家財政の『ジョーカー』は永遠には繰延られません。
近い将来、
どこかのタイミングで、必ず『清算』しなければならない時期は訪れて、
その際、当事者である『日本国民』は、試練のときを迎えると考えます。
最近では、
『新型ウイルス』の話題に、社会全体が翻弄されていましたが、
この時期も、『根本的問題』に対する警鐘は鳴り続けています。
5月29日、
参院本会議において、『年金制度改革関連法』が審議され、
与党の賛成多数を受けて可決・成立することとなりました。
今回の柱は、
『パート勤務』『短時間労働者』に分類された方々に、
『厚生年金制度』の適用拡大を認めるというものです。
ご存知の方もいらっしゃりますが、
日本の年金制度は『公的』『私的』なものも含めて、
『3階』まで積み上げることができるシステムです。
先ず、
基礎となる『1階部分:国民年金』は20歳以上が対象となり、
『学生』等の猶予を除いて、全国民が保険料を納付しています。
基本、
自営業者などは『公的年金』は1階部分だけに限られており、
全期間保険料の納付しても、65歳からの支給は『月額6万円』程度です。
全然、生きていける数字では無いですね。
これに対して、
『厚生年金』の適用となる事業所に勤める『会社員』は、
『2階部分:厚生年金』も加入可能となり、将来的な受取額も増加します。
2018年現在、
『厚生年金』を受給開始している方の平均額は『月額16万円超』であり、
この数字は、前述『国民年金』と比較して『2.5倍超』にもなっています。
しかし、
『会社員(従業員)』という分類の中でも、これまでの制度設計では、
『厚生年金』非適用の方々が存在し、パート・短時間勤務者がそれに該当します。
現時点、
加入要件は『従業員501人以上の企業で週20時間以上』となっていますが、
この内『企業要件』については、今後、段階的に緩和することが決定しました。
具体的には、令和4年10月に『101人以上』という基準に変更し、
令和6年10月には『51人以上』と、2段階で引き上げる方針です。
因みに、
企業要件が『51人以上』に緩和される令和6年10月には、
現行制度と比較した時、新たに『65万人』もの方々が、
厚生年金制度に『加入できる』ようになると言われています。
また、
現行『70歳』までしか繰り延べられない受給開始年齢についても、
令和4年4月から、最大『75歳』まで選択出来るようになります。
もし仮に、
上限『75歳』から厚生年金を受給スタートした場合には、
『65歳』から受給開始した場合と比較して、月間受給額は『84%』アップします。
果たして、
将来のインフレ率まで考慮すると、これで十分かは分かりませんが、
少なくとも、現行制度よりも『受給金額』は増加しそうな気配です。
では、今回の『年金システム改定』は、
『ポジティブ』に受け取って良いのでしょうか??
勿論、そんなはずは有りません。
実際のところ、『超ネガティブ』です。
ご存知の方もいらっしゃる通り、
現在、日本の年金制度は『賦課方式』が採用されており、
これは、分かり易く言えば、『自転車操業』と同じです。
先ほどは、
『厚生年金に加入することで、将来的な受給額が増える』旨お伝えしましたが、
そんな事は、まったく『保証』されておらず、自身が受給者サイドになった際、
保険料納付者が少なければ、その理論は簡単に『破綻』します。
と言うか、
既に、今尚『自転車操業』の状態で運行しているのですが、
今回の『厚生年金』適用拡大は、要は、納付者を確保する目的に過ぎません。
先ほど、
1階部分を『国民年金』とご紹介しましたが、
『国民年金』のみ加入対象となる方々のうち、
『未納付者』の割合は、3割超にも及ぶと言われています。
対して、
『2階部分:厚生年金(共済年金も同様)』は納付率100%であり、
この驚異的な数字は、泣く子も黙る『完全源泉徴収』の為せる技です。
結局、
今回の年金制度改定は、厚生年金適用枠を広げて『保険料納付者』を確保し、
受給開始年齢を繰り延べすることで、『受給者』を減らしているに過ぎない。
何故、
このような動きを見せているかと言うと、日本の『年金システム』が、
コロナ禍中も、刻一刻と『破綻』に向かって進み続けているからです。
『警鐘』は、常に鳴り続けています。
それに『気付ける人間』と『気付かない人間』が存在するだけです。
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最後になりますが、
新型コロナ・ウイルス感染拡大に伴う、事態の早期収束・終息と、
ご覧頂いている皆様のご健康を、心より、お祈り申し上げます。
井上耕太事務所
代表 井上耕太