今日のテーマは、『破綻への延命措置に必死な国策としてのねずみ講』です。
タイトルの中に、怪しい単語を含んでのスタートですね(笑)
『ねずみ講』
ウィキペディア先生で検索掛けてみると、
『無限連鎖講と呼ばれることとなった連鎖配当組織のことである。』とあります。
要は、
『商品』を取り扱うことなく(若しくは、不相応に高額な商品を扱い)、
『お金』だけが特殊ルールで流通する、『無限連鎖システム』の事です。
(*後者は、厳密言えば『マルチ商法』に分類されるのかも知れませんが。)
金融の世界では、別名、『ポンジ・スキーム』と呼ばれることもありますね。
私が生まれるよりも少し前、日本でも大きな問題になりました。
勿論、
日本国の法律により、厳しく規制されていて、
現在では、日本国内に『ねずみ講』のシステムは存在しないと言われています。
考えてみれば、当たり前ですね(笑)
世界第3位の経済大国まで上り詰め、経済的にも成熟期を迎える国家で、
『平成』が終わろうとする中、『昭和』ど真ん中の違法行為が許されるはずが無い。
しかし、私は、『ねずみ講』は未だ残っていると思うのです。
今日のタイトルに含まれる言葉、
『国策としてのねずみ講』というフレーズを聞いて、
私が何のことを言っているか、皆さん、ピンと来るでしょうか??
勘の良い方々は、すぐに分かりますよね。
そう、日本という『国家』が主導して存続し続けている、
『公的年金システム』は、現存する、世界最大級の『ねずみ講』なのです。
どうでしょうか??
『ねずみ講』という言葉について、
先ほど、『ウィキペディア先生』に解説して頂きました。
『商品が無く』『先に参入した人ほど有利で』
『その序列は、未来永劫入れ替わる事は無い』
加えて、『無限連鎖的に繋がっているシステム』、、、、。
上記の定義に、『年金システム』は完璧に合致していますよね。
もはや、
上記の説明文が、『ねずみ講』の説明文なのか、
『公的年金システム』のそれなのかさえ、判別不明な状況になってしまっています。
公式ブログでも何度かお伝えしていますが、
『国家権力』という最大の暴力機関が『強制徴収』を謳う為、
私も仕方なく、『国民年金保険料』を支払っていますが、
もし『支払わない』という権利があるなら、即刻行使します。
これは皆さんも賛同されると考えていて、
会社員の方は、『保険料』が源泉徴収されて給与天引きされていますが、
『将来、年金で戻ってくる』という幻想を抱く人は、ほぼ存在しません。
皆さん、
『将来的に、戻って来ない』と分かっていながらも、
超巨大権力には逆らうことが出来ず、『ねずみ講』に加担し続けているのです。
それで、
『公的年金システム』が近く破綻することは明確ですが、
その『Xデー』を少しでも延命しようと、政府は『苦肉の策』を連発しています。
昨日出てきたニュースでは、次のようなものがありました。
『厚生年金 企業規模規制を緩和し、パートタイマー・短時間労働者の加入拡大へ』
現在、
『厚生年金』は、従業員数501名以上の事業所に加入が義務付けられ、
上記事業規模以下の事業所に関しては、『任意加入』となっています。
より詳しく言うと、
(*事業規模条件に加え、)
『週20時間以上労働』『月収8万8000円以上の収入』で強制加入となり、
その条件を満たさない場合、パート職員は『国民年金』の対象として扱われます。
少し整理すると、
『国民年金保険料』は、免除対象者などを除いて、
所得に関わらず、一律の『保険料』を支払うルールとなっています。
対して、
『厚生年金保険料』は、それぞれ収入により保険料が異なり、
また、事業者サイドと『労使折半』が保険料負担されるというルールがあります。
この時、
『事業家サイド』としては『厚生年金』加入の方が負担が大きくなる訳で、
選択出来るのであれば、率先して『ねずみ講』に加担するはずがありません。
事実、
先ほど、事業規模要件を満たさず『任意加入』の対象となった企業で、
わざわざ『厚生年金』に加入している企業は、全体の『5.6%』と激少です。
ここまで順を追って説明してきたので、
この状況も『当然』だと感じて頂けると思います。
今回出てきた報道では、
『厚生年金』の加入対象として、この『企業規模要件』を引き下げ、
若しくは、撤廃することにより、対象事業所を増やしていく見込みのようです。
これは、
表向きは『パート、短時間労働者の老後貧困リスクを無くす』ですが、
『真意』がそれであるはずがなく、現在の基準では破綻が早まる為、
『年金保険料を、取れる対象者を増やそう作戦』に他なりません。
本当に、この国の『社会保障システム』は崩壊しています。
挙げ出せば切りがありませんが、
今後も、『公的年金システム』の延命措置に関しては、
『苦肉の策』が連発され、私たちを悩ませる事になりそうです。
政府としても、
『年金システム』が完全破綻してしまえば、
もはや、『国家としての存在意義』が失われてしまうので必死です。
*『国家としての存在意義』を他の言葉で言うと、
『徴税システムの正当性』と表現することも出来ます。
兎に角、
『年金システム』という超巨大な『ねずみ講』にライフプランを委ねていたら、
『厚生年金システム』が救ってくれるはずもなく、下流老人に成り下がります。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太