今日のテーマは、『餌を貰うことに、慣れきってしまった国民の末路』です。
昨日、一昨日の公式ブログでは、
『既存の概念(常識)』を変化させることの必要性について、ご紹介しました。
記事中にも書きましたが、
『常識』という概念も、冷静に考えれば非常に怪しいもので、
その『時代』毎に、まさに『正反対』のことが『正しい』とされます。
極論言えば、
第二次世界大戦中は、最も『人』を殺した者が英雄とされましたが、
今の時代、同じことを実行すれば『犯罪者』として厳しく罰されます。
元来、
『人間(同種族)を殺してはいけない』という事は、
人として、先天的に脳内にデフォルト設定されている『真理』だと考えます。
しかし、
それを大きく逸脱する行為を繰り返しても、時代背景によっては、
他者から『評価』を受けることさえ起こり得るのは、不思議なことです。
兎に角、
『常識(既存の概念)』というものは、非常に『曖昧』なもので、
自分自身が信じて疑わないとしても、たかだか数十年の経験に基づいた、
『根拠』も『絶対』も、何もないものだとご理解いただけたら幸いです。
故に、
『常識(既存の概念)』は時代毎に書き換えられていくので、
私自身、その『変化』を敏感に察知し、順応していくことが大切だと考えます。
『公的年金』に代表される『社会保障制度』も、その最たる例の1つですよね。
少しタイミングを逸しましたが、
先日、金融庁・ワーキンググループ作成の報告書で紹介された、
『老後の金融資産2000万円』問題が、世間を賑わしていますよね。
この報告書を巡って、
某金融相が『正式な報告書として受け取らない』と発言した事で、
世間から『大バッシング』を受けた事も、まだ記憶に新しいです。
個人的に、
『受け取る』『受け取らない』の話では無いように感じていますが、
この事実が示すように、『現実』はなかなか受け入れ難いものだったようです。
某官房長官も、
金融庁報告書を受けて、『国民の中に不安が広がっている』と言っていますが、
この発言も、どこか、『不安を過度に煽るな』というニュアンスで聞こえます。
加えて、
『公的年金は将来にわたり持続可能な制度を構築している』
『年金が老後生活設計の柱だという事は揺るぎない』と述べていますが、
誰も、『年金制度問題無し』発言に、納得しないのでは無いでしょうか。
某金融相同様、
この官房長官も、報告書を『公文書』としての認識は示しつつも、
『正式な報告書としては受け取らない』という、常人には難解な発言をしています。
まさに、『知恵問答』のような話ですね(笑)
ただ、繰り返しますが、
政治家のお偉い先生方の『受け取る・受け取らない』は、正直どうでもよく、
私自身、この報告書は、『明確な(最低基準の)真実』であると認識します。
実際に、
総務省が公表する『家計調査』では、現行の水準でさえ、
退職後の高齢夫婦無職世帯の収入が『月額21万円』程度と報告されています。
これは、『データ』なので『真実』です。
対して、
同世帯の平均家計支出は『月額26.5万円』と算出されていますから、
収入・支出ギャップとして、現時点でさえ『月5.5万円』存在するのは自明です。
この辺り、
小学校で『加法・減法』の基本計算を習ったことがある方なら、
『秒』で答えを出すことが出来、間違うポイントすら見つかりません。
そして、
『年間約66万円』にのぼる『収支ギャップ』が、
『30年間』という、平均的な寿命を全うする年数必要と考えると、
『2000万円』程度は『最低レベル』として必要になってきます。
どこにも、『計算ミス』は存在しません。
小学生の『算数』のテスト問題に出されたとしても、
恐らく、『正答率:100%』の近いレベルで答えられると考えます。
このような『真実』に対して、
政治家の先生方の態度・スタンス云々にバッシングする人もいれば、
『自助努力』で資産形成することに対して、文句を述べている方々もいます。
とても浅はかですし、見ていて、情けなく感じてしまいますね。
『いや、昔から言ってたやん!!』、と。
日本の『人口構造の変化』を見れば、
『社会保障システム』が機能しなくなる事は、もうずっと昔から『自明』です。
また、
『終身雇用』の崩壊など、社会的変化もかなり以前から分かっていたし、
その状況において、『自助努力』を否定する方々の思考回路を疑います。
私自身、
この『真実』を示す報告書を、頑なに認めようとしない、
政治家の先生方のスタンスを支持している訳では、決して有りません。
ただ、
それを非難ばかりしていて、『自助努力』する事を放棄し、
『被害者意識』満載で生きている方々のことも、生理的に受け付けません。
ここ数十年、
『機械化』された人材が生み出されることを『善し』とした教育システムの中で、
『日本人』は、完全に『主導権』を放棄して生きる生き方しか出来なくなりました。
この状況においても、
未だ、『誰かどうにかしてくれる』『結局どうにかなる』と考える人は多く、
家訓が如く『自助努力』を放棄して、『他力本願』で生きようとしています。
『いや、そろそろ気付こうよ』、と。
先日、金融庁が公表した報告書は『(現時点の)真実』を示しており、
正しくは、今後は、さらなる『事態の悪化』が起こることは明らかです。
その事をしっかりと認識し、真正面から立ち向かいながら、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太