今日のテーマは、『大正製薬の大規模人員削減から学ぶこと』です。
昨日、東洋経済オンラインに興味深いニュースが出ていました。
『大正製薬、業績堅調でも人員大削減の波紋』
『リポビタンD』『パブロン』など、
私たちも馴染みの深い大衆薬を扱う、有名企業ですよね。
完全なる余談ですが、私の地元にも物流拠点がある為、
その名前は小さい頃から慣れ親しんだもので、親近感を覚えていました。
その有名企業が、
『40歳以上』の社員を対象に行った『早期退職優遇制度』において、
同社内から『948名』もの応募があったと公表したのです。
対象社員総数が『約3000人』ですから、
その『3分の1』に当たる人員を一気に整理する、まさに異例の事態です。
記事タイトルにもあるように、
大正製薬自体は、2018年3月期決算において、
営業利益前期比16%増『369億円』を確保しているので、一見苦境には見えません。
しかし、
その状況においてのこの結果は、経営陣が『想定内』と言うものの、
会社の先行きに『希望』を見出せない社員が、相当数いる事を露呈した結果となります。
今回、
募集した『早期退職優遇制度』を用いた呼び掛けは、
1912年の同社創業以来、初めてのことなのだそうです。
そう言われると、事の重大さがズシッと感じられますよね。
*上場大企業での『早期退職制度』は、表向きはその通りに受け取られますが、
内情は、『会社による肩叩き』と『優秀者の自主退職』の両方が存在します。
*今回、大正製薬HDで発表された『948名』の方々も、
『その両者が混在した形での、総数がそれ』というのが事実です。
個人的に興味を持ったのは、今回の『早期退職制度』において、
『割増退職金』の金額が、それほど大きくはない様子だという事。
『再就職支援費用』含めて、同社が計上するのは『特別損失122億円』で、
これを該当者一人当たりで算出すると、『1300万円』を切る値。
私自身もこの業界に身を置き、
実際に『早期退職』という名の『リストラ』を敢行される先輩を見たのでわかりますが、
『2000万円以上』の割増が順当な業界において、少し物足りない数字になっています。
(*それでも、十分過ぎる手当だと思いますが。)
にも関わらず、最終的には、自身で決断して離職した人間が『約1000人』も居る。
『苦肉の策』だったのかも知れませんが、突然、決断を迫られた状況において、
『ミス・ジャッジ』してしまった方々も多かったのではないかと推測します。
(*繰り返しになりますが、)
私自身、20代を『会社員』として過ごし、30歳で独立・起業し、
現在、『事業家』として生きて行く中で、体感している事があります。
それは、
『資産形成』と『ビジネス』の両輪を回して行く事で、人生は自由になり、
まさに、『事業家』と『会社員』では全く違う世界を生きているという事。
そして、もう1つ。
両者の『思考回路』は全く異なるものであり、
何も考えずに『40歳』まで会社員を続けてしまった人間が、
それを『体得』するのは並大抵のことではない(至難の業)という事。
今回、
大正製薬の『早期退職制度』を活用し離職する方の中には、
優秀で、既に、次の勤め先が決定している方もいるかも知れない。
でも、
大部分の該当者はそうではなくて、40歳そこそこの社員は、
『まあ、割増退職金もあるし、次も何とかなるよ。』と考えていると思います。
たぶん、現実はそんなに甘くはないし、それには、直ぐにわかる。
そして、
タイミング的にはかなり遅いのですが、
その時、本当の自身の『市場価値』というものに気が付くのです。
『大正製薬』よろしく、私も『東証一部上場』の大企業に勤めていました。
今から振り返っても、それは巨大な組織で、
業績不振時も変わらず給与は支払われる為、『臥城』のような錯覚を時にはしてしまいます。
しかし、
それはあくまで『錯覚』でしかなく、未来永劫続くものはなく、
『栄枯盛衰』は世の常であり、歴史的にも『例外』は存在していません。
時々、
『私は、会社が好きなんです』という方にも出会いますが、
残念ながら、それは完全なる『片思い』であり、その恋愛は成就する事はありません。
『バッドエンドでも純愛を貫く』という信念の方ならしょうがないですが、
もし、『相手も同じ気持ち』だと錯覚していたら、目を覚ました方が良さそうです。
最近は、
『ビジネステーマ』で記事を書くことも減ってきていますが、
『資産形成、ビジネス両輪回す事で、人生は自由になる!』という、
私自身の『信念』はまったく揺らいではいません。
言葉を選ばず言うとしたら、
何も考えず『会社員』を続けてきた方々で、
『40歳』を過ぎてシステムを外れたら、そのままのたれ死んでしまうのがオチです。
そして、
その状況は決して『特異』なものではなく、
今回の『大正製薬』のような事例は、今後もどんどん出てくるという事です。
あなたは、それでもまだ『他人事』のように感じていますか??
意図的かどうかに関わらず、『会社』というシステムを外れた時、
収入的にも、経済基盤的にも生活を保っていけるでしょうか??
まず、
自分自身が『安泰』だと感じているものが、決してそうではないと知ること。
そして、
来るべき『有事』にそなえて、常に『準備』をし続けること。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太