今日のテーマは、『お金を与える事で、人は簡単に堕落していく』です。
1つ前のブログでも書かせて頂きましたが、
昨日から、クライアントさんと同伴で香港に来ています。
日本はかなり寒くなって来ましたが、
それに比べると、香港の気候はとても穏やかです。
それもそのはず、
よく考えてみたら、沖縄よりも南に位置する訳で、
街中には『モンクレール』の旗艦店もありますが、明らかにオーバースペック感があります。
仕事として、ミッションクリアしなければいけない事もありますが、
数日間だけ、日本を離れた『非日常』を味わいたいと思います。
早速本題に入りますが、
お伝えしたいことは、正に『タイトルの文章』そのままですね。
きっと、それをイメージする場面を、
読者の皆さんも、1つや2つ経験されたり、目の当たりにされたりしていると思います。
自分が『労働』をして、若しくは、『労働』ではないにせよ、
それ相応の『対価』を支払って得る『お金』では、人は堕落しません。
しかし、
自分が『労働』した訳でもなく、投資資金を自ら拠出した訳でもなく、
『対価』を支払うことなく得てしまった『お金』は、その人の人生を狂わします。
その際たる例が、『宝くじ』ですよね。
一昔前、
『1億円当たった人の末路』という本が話題になりましたが、
その中で紹介される方々も、宝くじ高額当選の前後比較して、
『人生が幸せになる』という事はないと示されていました。
具体的には、
『1億円』を超える高額当選した方々は、親族にたかられたり、
『生活水準』を上げる事で、虎の子の『当選金』が一気に減り、
資金が枯渇しても継続し、逆に『借金生活』に陥ってしまうと。
往々にして、ありそうですよね。
また、『相続』『贈与』などといった事も、
対価を支払う事なく得る『お金』で、人間を翻弄する代表格です。
前述の事例同様、
『お金の器』が無い人に、『お金』だけが一気に流れ込みますから、
この人は、『息』をするが如く当然のように、『お金』を一瞬で失います。
いかに『ハード』が充実されようとも、
それに伴い『ソフトウェア』がアップロードされていなければ、何もなりませんよね。
この事例は海外でも見られ、
お隣の国『韓国』では、約20年前の『通貨危機』時に経済の流れに翻弄され、
長年『債務』を抱えていた方々のそれを、政府が肩代わりした事がありました。
2、3ヶ月、徹底的に経済状況を調べられるものの、
その上で『適格』と見なされれば、その人が抱えていた『債務』を軽減し、
中には、『9割免除』『全額免除』された方々も多く存在しました。
実に、
『全額免除』の対象者として考えられる方は、韓国全土で『110万人』を超え、
全人口が『5000万人超』であることを考えると、驚くべき数字ですよね。
ただ、
この対象者にあまり好ましい『結末』が待ち受けるとは考えにくく、
長年、『借金状態』がコンフォート(安定)であった方々の債務を、
一瞬で帳消しにしても、彼らはまた同じ状態に戻ってしまいます。
この事例でも、
対価を支払うことなく『お金』を与える事と同義ですから、
どうしても、当事者からすれば『あぶく銭』という範疇を超えないのです。
『ベーシック・インカム』
政府や地方自治体が、該当エリアに居住する人に対して、
一律に、最低限、生活が維持できる程度の『お金』を与える。
このような考え方が、数年前から世界で起こり、
『北米』『欧州』を中心に、該当自治体でテストマーケティングが実施されていますよね。
この『ベーシック・インカム』という考え方、
皆さんとしては、どのようなご意見を持たれていますか??
理屈としては、
政府・自治体から『生活最低限』の資金が支給される事により、
人間が『必要不可欠な労働』から解放され、QOLが高まり、
更に『創造的な仕事』を生み出したり・それに従事できる、と。
かつて、
『新・富国論』という書籍に登場した、シリコンバレーの若き起業家も、
『テクノロジーの発達は、私たちをより創造的な労働に就かせる』と言っていました。
確かに、これは『理屈的』には一見正しそうですよね。
しかし、
『人間』は、やはり『理屈』通りに動かないのが世の常で、
意味なく『お金』が与えられると、それが『呼び水』となり、人生は堕落していきます。
事実、
世界でテスト的に導入されている『ベーシック・インカム』制度は、
多くの該当地域で予想外の失敗に終わり、早々に打ち切られるケースが散見されます。
要は、
努力なく、簡単に『お金』が得られるようになってしまうと、
悲しいかな、人は『生産性』『思考能力』を失ってしまうということです。
『人間』は、自分たちが想像する以上に『怠惰な生き物』だと言えます。
この辺り『ODA(政府開発援助)』などでも同様のことが言え、
簡単に『お金』を与えてしまった国は、『依存心』が芽生え、国家としての繁栄を放棄します。
常に、
誰かから『お金』を恵んで守ることばかり考えるようになり、
自らの『創造性』『主体性』を簡単に手放してしまうのです。
賛否両論あると思いますが、
私自身は、『ベーシックインカム』という制度に対して、
あらゆる場面での導入について、『断固反対』の意見を持っています。
自身の中に、
『正当な努力をした者が、正当な成果を得る』という世の中が、
本当の意味での『理想郷』だという考え方があるからです。
世の中的には、『99%』の方々が、
『楽して儲かる』といった類の話の方がお好きのようですが、、、、。
『年金』という社会保障システムが破綻に向かう日本にとって、
『ベーシック・インカム』は夢のまた夢のような政策ですが、
時には、『政界の潮流』についても目を向けて考えていきましょう。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太