『安全資産:日本円』の神話は、崩壊してしまったのか??

今日のテーマは、『安全資産:日本円の神話は、崩壊してしまったのか??』です。

 

 

相変わらず、『株式市場』は、連日大きく下げますね。

 

 

最近、

 

 

『NYダウ工業株30種平均株価』の変動幅の1段階が、

『1000ドル』刻みだという話を取り上げましたが、

昨夜(3月12日)については、『2000ドル超』の第下落で終焉しました。

 

 

当然、

 

 

この下げ幅自体、ぶっちぎりで『史上最高値』を更新したものですが、

『下落率』としては、1987年の『ブラック・マンデー』に匹敵するのだとか。

 

 

今となっては、

 

 

『遠い過去』という感じが半端ないですが、本年(2020年)2月中旬、

そう、僅か1ヶ月程前は、『株式市場』は、今と正反対のプラスの意味で、

『過去最高値』を更新し続ける活況を呈していた訳です。

 

 

それが、

 

 

それから『2週間』ほどの期間で進行した『コロナ・ショック』に飲み込まれ、

直近1ヶ月間に、『約30%』もの時価総額が一気に吹き飛んでしまいました。

 

 

具体的には、

 

 

前述『NYダウ平均株価』は、史上初の『3万米ドル』突破を目前に控えた時点から、

昨日終値は『2万1,200.62ドル』という数字まで、歴史的な急降下を見せます。

 

 

また、

 

 

『日本市場』も全く同様の推移を見せており、代表指数『日経平均株価』は、

約30年ぶりの『2万4000円台』回復を射程圏に捉えてから、急激下落。

 

 

本日(3月13日)も、

 

 

終値として『前日比:▲1,128.57円』のマイナスを記録し、

『1万7,431.05円』と、こちらも下落前から『30%』近くが消失しました。

 

 

有名な言葉で、

 

 

『株式市場は、半年から1年後の経済状況を見通す』と言われますが、

それが、今回の騒動にそのまま当てはまるかと言えば、正直、分かりません。

 

 

ただ、

 

 

世界を巡る『情報』の流動性が急激に増している昨今では、

テクニカルな手法で短期取引をしている参加者が増加して、

『ロスカット・ルール』等が、遵守されている可能性があります。

 

 

つまり、

 

 

『市場の先見性』等を、正当に評価して取引を進めるのではなく、

予め定めた『ルール』を、文字通り『機械的』に遵守して取引を進めている。

 

 

その場合、

 

 

直近1ヶ月のように、『株式市場』が一斉に下落に転じ始めると、

常に、その『ルール発動』のタイミングがやって来て、連鎖的に下落が続きます。

 

 

この辺り、

 

 

『鶏が先か、卵が先か』のような論争になるのですが、

『株式市場』全体が(十分過ぎる程)下落し切った後、

ようやく、上昇に転じる場面を、気長に待つより他ありません。

 

 

経済学者の中には、

 

 

『最近の世界市場は、明らかにミス・プライスされている』という方もいますが、

私も当然そう考えるものの、評価(実際の株価)を変える事には、繋がりません。

 

 

中長期的視点では、

 

 

『資産形成(投資)』という観点で見た時に、

現在は『仕込み』について絶頂の時期ですが、

願わくば、半年から1年間ほどで、回復はして欲しいと感じています。

 

 

私自身、

 

 

最初に『資産形成(投資)』をスタートしたのは、金融危機直後の2008年ですが、

『国内投資』限定の取引ながら、その後『5年間』はとても良い時期を過ごしました。

 

 

今回の騒動は、

 

 

その時以来、実に『12年ぶり』となる『チャンス』が到来した事になりますね。

 

 

メディアを中心に、

 

 

パッとしないニュースばかりが流れ、『閉塞感』が半端ない事になっていますが、

2、3年から5年先を見据えた際の『希望』を持って、日々を過ごしていきましょう。

 

 

さて、

 

 

冒頭から展開している『ゴタゴタ』ですが、

私自身、少し、気になっている市場の変化があります。

 

 

それが、何だか分かりますか??

 

 

そう、今日のタイトルでも採用しましたが、

『安全資産:日本円』神話が成立していると考えていた『為替市場』です。

 

 

少しだけ振り返ると、

 

 

前述の『株式市場:大下落』が連日続いていた今週月曜日、

市場の動揺の大きさからか、『1ドル=101円台半ば』まで急激な円高が進行しました。

 

 

その際の公式ブログにも、僅か数日間で、

『日本円』の価値が、10%程度上昇したことをご紹介しました。

 

 

しかし、

 

 

気になるのは、その後の『為替相場』の推移で、

『株式市場』下落は継続しているにも関わらず、

ジリジリと『円安方向』に戻しているという事です。

 

 

2020年3月13日、20:57時点、

『1ドル=106.70円(TTM)』付近で取引されていますね。

 

 

要は、

 

 

今週一週間、『株式市場』は下落し続けていたにも関わらず、

これまで、世界全体の有事が起こった際の『疎開地』として、

利用され続けた『日本円』が、逆に、売られているという事です。

 

 

上記では、

 

 

『売られている』と表現しましたが、実際は、『株式市場』から退散した現金が、

『日本円』というマーケットに対して、流入し切っていないという方が、正しい。

 

 

何を言っているかと言うと、

 

 

海外諸国の『株式市場』から流出された資金が、これまでと違い、

『米ドル』『ユーロ』を始めとした外貨に対して『流入し負けている』ということです。

 

 

理由はいくつか考えられ、

 

 

1つは、『貿易黒字』で経常収支をプラスに保ってきた『日本』が、

今回の『コロナ・ショック』の影響を、より受けると予想されていること。

 

 

また、

 

 

『情報』の流動性が高まっている現代においては、

世界全体の『株式市場』の連動性も高まっており、

わざわざ『日本円』に転換することのメリットを、

海外投資家が感じていない、とも言われています。

 

 

繰り返しになりますが、

 

 

『株式市場』が、連日、大きく下落することに注目が集まる中で、

個人的には、この『為替推移』の潮流変化の方を注目しています。

 

 

『日本円』を保有していれば、『経済的有事』が起こった際も、安心。

 

 

そのような『神話』が、ここに来て、崩れ去りつつあるのでは無いか??

 

 

そういった視点で、日々、市場に注目していくのも興味深いと考えます。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

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