今日のテーマは、『年金資産形成を他人任せにしていませんか??』です。
昨夜のニュースで、なかなか重要な報道が出て来ました。
『年金個人情報、中国業者に渡して入力再委託』
インターネット・ヘッドニュースにもなっていたので、
この報道を目にされた方もいらっしゃるかも知れませんね。
日本年金機構からデータ入力業務を委託された東京都内の情報処理会社が、
契約に違反し、最大で『約500万人分』の個人情報を中国の業者に渡し、
入力業務を再委託していたというものです。
『年金』に関しては、先日も世間を賑わしたニュースが出たばかりですよね。
『年金、全国約130万人に対して過少支給』
実は、
この際の原因となった『データ未入力』を起こした会社もここで、
今回の『外部再委託問題』はその調査過程で新たに明らかとなった事実です。
今回、外部の委託業者に渡した資料の中には、
『マイナンバー』『配偶者の年間所得額』なども含まれるそうです。
これ、なかなか最重要な『個人情報』だと思うんですよね。
個人情報売買の世界はまったく明るくないですが、
『質』『量』からして、相当な時価総額になり得る『情報』です。
100歩譲って、政府機関が認定した入力会社なら未だしも、
(*これでも、100%信用は到底出来ませんが。)
そこから『外部委託』されてしまえば、情報の『気密性』はほぼ破綻してしまっています。
加藤勝信厚生労働相は20日の閣議後の記者会見で、
『外部に個人情報を流出した事実は確認していない』と述べていますが、
この発言をどこまで『信憑性』持って聞いたら良いのか疑問が残ります。
いや、
今回の場合、『500万人分のコア個人情報』を外部委託した時点で、
その事態そのものが『情報の外部流出』だと考えるのは私だけでしょうか??
『年金システム』に関しては、数年前にも、
『年金支払い記録が消える』という前代未聞の事態が起こったばかりです。
この時の問題も、私の記憶が正しければ、
解決されずに、うやむやに葬られ、何事もなかったように時間だけが流れて行っています。
『記録』一つとってもこのような杜撰なシステムですが、
現時点で、『運用』に関して期待している人は、もはや皆無ではないでしょうか??
『そこ(運用)は期待してないから、記録ぐらいちゃんとしてくれよ。』
日本国民大部分の考え方としては、
この言葉が偽らざる『本音』といっても過言ではないように思います。
『年金』支払いについて、
給与天引き・強制徴収の『会社員』の方々はどうしようもありませんが、
『事業者』の方々は、可能であれば『合法的に』免除・減免申請されている方が多いと思います。
これは民間金融機関に置き換えるとわかりやすいですが、
将来の『マイナス・リターン』が確約されている金融商品を、
わざわざ好き好んで契約する人は、余程の『モノ好き』以外存在しないからです。
その他、
対象拡大された『iDeCo(個人型確定拠出年金)』『小規模共済』等もありますが、
こちらも『所得控除』の意味合いが強く、『リターン期待』で加入している方はほぼいません。
バブル崩壊後、
『失われた20年(もう直ぐ30年を迎える)』において、
日本の株式市場は、インフレ(通貨価値下落)率まで考慮すると、
『マイナス・リターン』という異常事態です。
『現金』よりもリスクを取って『株式市場』に投資しているにも関わらず、
『20−30年間』という長期投資をしても、『マイナス・リターン』。
年金機構、年金運用受託会社が良くないと言っている訳では決してなくて、
状況として『国内運用主体で、投資リターンは求めにくい』という事です。
ここで、本日のタイトルになって来ます。
皆さんは、『年金資産』形成を『他人任せ』にしていませんか??
確かに、
現在60歳以上の私たちの『親の世代』を見ると、
既存のシステムがなんとか機能し、豊かな老後生活を送っているように思えます。
しかし、
この公式ブログでも再三お伝えして来た事ですが、
『私たちの世代(20代、30代、40代)』は、
残念ながら、この恩恵に預かることは出来ないでしょう。
『親の世代』と比較して、
人口ピラミッド、社会背景、国際社会での日本のポジション等、
大きな変化があった現在では、既存システムは早々に破綻してしまうのです。
今回出て来た報道のように、
『記録管理』が杜撰に扱われているレベルの問題ではありません。
そもそも、預け入れて運用している『資産』そのものが、
『老後資産』として皆さんが期待している『目標額』に遠く及ばない可能性が高いのです。
*最も最悪なのは、『システム』的な破綻を起こし、
拠出しているにも関わらず、『私たちの世代』には支給されない可能性があることです。
この辺りで、『思考回路』を切り換える必要があります。
これからの時代、『年金資産』は自ら形成していく時代です。
『仮想通貨』『宝くじ』等のギャンブルで一発逆転を狙う方法以外では、
『資産形成』というものは、『時間』がある程度かかってくるのが常識です。
つまり、
あなたが退職間際になって慌ててもどうにかなるものではなく、
『まだまだ若いし、大丈夫』と思っている『今』『この瞬間』、
あなた自身が『行動』しているかどうかが分岐点になります。
ところで、あなたは『行動』していますか??
『毎日、忙しいから』『今は、お金がないから』を言い訳にしていませんか??
そんな方々は、『いつか、状況が整ったら』と考えているでしょうが、
私の少ない経験から考えて、その『いつか』は一生やってくることはありません。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太