今日のテーマは、『新型ウイルス・ワクチン共同声明に見る、人間心理の妙味』です。
昨日、
クライアントさんとのアポイントが終日立て込んだ為、
久しぶりに、公式ブログ記事更新がストップしました。
なるべく、
『毎日』の情報発信を継続していきたいと考えますが、
『時間』が有限である以上、『優先順位』は大切です。
気を取り直して、本日から、再スタート切ろうと思います。
先日(9月8日)、
欧米の製薬企業9社が共同声明を発表し、
世界的に、注目された報道がありました。
アストラゼネカ(英国)
ファイザー(米国)
サノフィ(仏国)
グラクソ・スミスクライン(英国)
ビオンテック(独)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)
メルク(米国)
モデルナ(米国)
ノババックス(米国)
医療業界(*私も以前所属)に所属する方々であれば、
その名を聞けば、直ぐに理解できる会社ばかりですね。
日本にも『大企業』に分類される製薬企業は存在しますが、
1つ『桁』の違った資本力を誇る、世界的レベルの『巨大企業』ばかりです。
今回、
彼らが、各国政府・当局に対して、共同声明で求めたことは、
『新型ウイルス・ワクチン』の安全性・効果確認の時までは、
『承認』を求めないで欲しいということ。
通常であれば、
『新薬』開発に成功した場合、独占販売期間『最大化』の為、
早急に、『承認』を求めるスタンスを取るのが製薬企業です。
それが、
今回のスタンスは、通常と全く『逆』で、言うなれば、
『承認を早めないで欲しい。』という発言と同義です。
少し穿った見方をすれば、この共同声明は、
『人間心理』に対する妙味に溢れています。
何故なら、
人が『欲しい!』と言っているものに、敢えて『NO』と回答する事で、
多少の機会損失リスクはあるものの、返って『価値』は高まるからです。
確かに、
世界的大手9社が、共同声明の中で説明している通り、
早急に承認させない『表向きの理由』は、存在します。
(1)ワクチン自体の安全性と、接種する人間の健康を最優先する。
(2)科学的、また、倫理n高い基準を維持して臨床試験(治験)・製造を進める。
(3)最終治験を終えた時点で、安全性と効果が確認された場合のみ、
世界各国当局にワクチンとしての『承認』を求める。
(4)世界的パンデミックに対応すべく、グローバルな『供給体制』を整備する。
上記4項目、全く『非の打ちどころ』がありません。
これを言われてしまったら、『国家権力』と言えども、
異を唱えるのは、民意を『敵』に回すことになります。
実際、
最終治験が終了していないにも関わらず、先月(8月)時点、
ロシアは『自国産ワクチン』を前倒し承認してしまっており、
この動きに対しては、ロシア内外から批判の声が挙がります。
この動きは、
21世紀の大国『中国』においても見られ、倫理的に疑問ですが、
先行して、新興国市場で供給スタートすることが見込まれており、
政治的パワーバランスとして、有意な立場を確保しようとします。
とは言うものの、
先進諸国間においても、ワクチン開発に対する期待は日増しに高まり、
今秋の大統領選を控え、米トランプ政権も強力な後押しを表明します。
奇しくも、
『世界最大の感染大国』の汚名を着せられた米国ですが、
現在、FDA(米食品医薬品局)が進める、条件付き投与、
『緊急使用認可』の検討は、異例中の異例と言えます。
この辺り、
前述の選挙戦を見据えて、現政権からの働き掛けがあったと予想され、
『新型ワクチン開発』は、完全なる『政治利用』局面に突入しました。
確かに、
世界的パンデミック発生当初、感染症研究の専門家と呼ばれる方々は、
通常、ワクチン開発は『数年間』の時間を要することを強調しました。
それを考慮すると、
未だ、『新型ウイルス』発生から『1年未満』という時点で、
開発完了の『兆し』が見え始めたことは、驚くべきことです。
ただ、
日進月歩する『創薬』の世界において、世界的注目が集まる分野に、
叡智を結集すれば、可能なのかもしれないと、個人的には考えます。
しかし、物事は単純ではなく、
様々な人間の『思惑』が交錯することで、創出された場合でも、
『おあずけ』を喰らってしまう可能性があるとも考えています。
男性の中には、
理解できる方々もいるでしょうが、簡単に付き合えた女性より、
ハードルを乗り越えて付き合えた女性の方が、ハマりますよね(笑)
それと同じ(?)です。
『経済活動復活』の意味でも、切望される『ワクチン開発』ですが、
その動向にも『人間心理』の妙味を感じることが出来ると考えます。
『金融』の世界にも密接に繋がるテーマなので、ぜひ、ご注目下さい。
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